3月25日、米下院のポール・ライアン議長(写真)と共和党は医療保険制度改革(オバマケア)の見直しを7年前から公約に掲げてきた。ワシントンで24日撮影(2017年 ロイター/Yuri Gripas)

[ワシントン 25日 ロイター] - 米下院のポール・ライアン議長と共和党は医療保険制度改革(オバマケア)の見直しを7年前から公約に掲げてきた。そして24日に起きたのは、オバマケア代替法案を採決間際に撤回するという共和党の下院議長としては考えにくい事態だった。

 それでも少なくとも下院で、ライアン氏が議長の座を追われるという差し迫った脅威にさらされているようには見えない。

 ライアン氏がオバマケア代替法案を撤回すると、さすがに以前から同氏に批判的なオンラインニュースサイトのブライトバートは、情報源は示さずに議長の後任探しが公然と話題に上っていると報じた。

 だが法案撤回直後に複数の議員は、今回の失策でライアン氏が窮地に立つとの見方を否定した。

 ライアン氏(47)は2012年の大統領選の共和党副大統領候補で、大統領就任の野心を抱いているとみられている。2015年10月から下院議長を務め、大統領継承順位はペンス副大統領に次ぐ第2位。

 オバマケア代替法案を強く批判してきた共和党のジャスティン・アマシュ下院議員は記者団に対して、「われわれは法制化の手続きをもっとうまく進めることが可能だ」と述べたが、ライアン氏を議長から引きずり下ろそうという声は「どこからも出ていない」と付け加えた。

 アマシュ議員は共和党の代替法案を「オバマケア2.0」とこき下ろしたことがある。同議員がメンバーに名を連ねる共和党の保守強硬派議員の集まり「フリーダム・コーカス」は、2015年にジョン・ベイナー氏を下院議長から追い落とし、今回の代替法案の撤回でも重要な役割を演じた。

 ライアン氏は共和党が過半数を占める下院で法制化を目指すリストの最初の目標に医療保険制度改革を据えてきただけに、24日には代替法案を取り下げる事態になったことに失望を表明した。指導部が代替案を可決に持ち込めなかったのは、保守派・穏健派双方から抵抗されたためだった。

 それでも共和党のジョー・バートン下院議員はこうした結果がライアン議長に与える影響について記者団から質問を受けて、「議長は人間だ。スーパーマンではない」と擁護に回った。代替法案を支持していた同党のバリー・ラウダーミルク下院議員も、今回の失策でライアン議長の影響力が弱まるとは思わないと述べた。

 下院議長に就任することもあり得ると目されているジェブ・ヘンサリング金融委員会委員長は、ライアン議長は目を見張るような指導力を見せたと指摘。「共和党議員がライアン氏と大統領の下で立ち直り、(オバマケアを葬るという)公約を果たすのが望みだ」と力説した。

(Susan Cornwell記者)