[ワシントン 28日 ロイター] - トランプ米大統領は28日、地球温暖化対策としてオバマ前政権が導入した一連の規制を撤廃する大統領令に署名した。石炭産業の保護を約束した選挙公約を実行に移した格好だが、23の州政府や地方自治体でつくるグループは法廷で争う意向を示している。

大統領令は、州政府に発電所の二酸化炭素(CO2)排出削減を義務付けたオバマ前大統領の「クリーンパワー計画」の撤回を柱とし、環境保護局(EPA)に対し、計画の撤回に向けた正式な手続きを直ちに開始するよう指示している。

この計画は2030年までに全体としてCO2排出量を2005年比で32%削減するもので、地球温暖化対策として2015年に採択されたパリ協定の目標を達成する上で重要な要素となっている。オバマ前大統領が2014年に導入したが、共和党が支配する州が起こした訴訟などで実行が阻まれたままとなっている。

トランプ大統領は選挙戦でパリ協定からの離脱を表明していたが、就任後は離脱について沈黙を続けており、今回の大統領令でも言及していない。

大統領令ではさらに、連邦所有地を炭鉱開発向けにリースすることを禁止した措置や、石油・ガス生産に伴うメタンガス排出削減を定めたルールも撤廃し、連邦政府機関が新たな規制を審査する際に温暖化への配慮が占めるウエートを減らす。

トランプ大統領は「米国のエネルギーに対する規制撤廃に向けた歴史的な措置を講じる」とし、「政府による介入、および雇用を奪う規制を撤廃する」と言明した。

石油採掘・石炭業界などからは雇用創出につながるとして称賛の声が上がる一方、エネルギー業界のアナリストらは大統領令が大きな影響を及ぼすか懐疑的な見方を示しており、環境保護団体は法廷で争う構えを鮮明にしている。