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2011年5月24日
著者・コラム紹介バックナンバー

佐々木常夫×奥野宣之 記録のカリスマ対談【後編】
成長へのエンジンとなる記録の力
自分の棚卸しで立ち位置が見えてくる!

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どうすれば、記録を成長のエンジンへと変えることができるのか? 35万部突破の『働く君に贈る25の言葉』の著者・佐々木常夫さんと、シリーズ累計50万部突破の『人生は1冊のノートにまとめなさい』の著者・奥野宣之さんが語る、自分を見つめ直す「手帳・ノート」への向き合い方。

 

この記事は奥野氏の新刊書籍の出版を記念して再掲載しています。
『情報は1冊のノートにまとめなさい[完全版]』奥野宣之・著
本体1400円+税/ダイヤモンド社

 

信頼関係を築くには、
相手の情報をメモすること

佐々木:私は仕事の効率化の両輪は、「コミュニケーション」と「信頼関係」なんだと思っています。信頼関係があると、仕事はすごく効率的なんですよね。信頼関係がないなかで上意下達でやっていても、部下はモチベーションが上がらないですよ。

 だから、やっぱりマネジャーの仕事というのは、その人の能力を120%出すことにあるんです。相手に気持ちよく仕事をしてもらうということなんです。気持ちよく仕事をしてもらわないで、無理やりやらせたりしていると、効率は2割、3割落ちますよ。

佐々木常夫さん

 それに信頼関係があると、部下は上司に提案したりすることもできるんですね。「いや、課長、それよりこうやってみたらどうでしょうか」と。これが、がなりたてるような上司だったら、部下も言われたとおりにしかやらなくなりますよね。

奥野:そうですね。信頼関係を築くには、部下や上司という以前に、ひとりの人間として興味をもつことが大事ですね。そういう考え方があれば、自然と「誕生日をメモしておこう」といった発想になってくるんだと思います。

 僕の場合は、ライフログノートに行動記録を付けるタイミングで「そういえばさっきの飲み会で、あの人、○○の情報がほしいと言ってたっけ」と思いだしたりすることがよくあります。

 

 で、ちょっと調べてメールしてあげようとか、参考になる本を送ってあげよう、となる。こういう口約束を守るのが大事だと思っています。

 小さな約束でも、覚えてもらった人は必ず嬉しいものだし、ましてや、上司から誕生日のプレゼントをもらったりしたら、絶対に忘れないですよね。

佐々木:忘れませんよ。声かけてくれるだけで嬉しいですよね。打算的な話に聞こえるかもしれないけど、結局仕事をやる上でプラスになるんだから、やらないよりやった方がいいですよね。

 例えば、手帳の右側に、去年の8月に「部下Aくんの父親が手術」とか書いておくんですよ。そうして「お父さん1年経ったけどどう?」って聞いてみたら、それはその部下は喜ぶよ。去年言ったうちの父のことを覚えてるんだって。家族みたいな気持ちになりますよ。

奥野:それは家族でさえ覚えていないことですね(笑)。佐々木さんのそうした部下への愛情は、先ほどお話にあった『散るぞ悲しき』にある硫黄島でゲリラ戦を指揮した名将、栗林中将に通じるものを感じます。上司の愛情が部下に伝われば、部下も頑張りますよね。

 ところで、私のライフログノートと同じで、手帳にはプライベートな情報と仕事で扱う情報が全然分けずに書かれていますが、何か仕事の情報が家族の関係に役立ったりとか家族で学んだことが仕事に活かされるという面もあるんでしょうか?

佐々木:直接的にはないけれど、人は心配事がないと仕事は上手くいくというのはありますよね。だから、なるべく気になったことを溜めずに話ができるような雰囲気にできれば思っていますね。部下に悩み事があれば、それが仕事のことだろうとプレイベートなことだろうとメモしておきます。

 人間ってね、嫌なこととか悩み事があっても人に言うだけで随分違うんですよね。誰か理解してくれる人がそばにいると安心するんですよね。

 私は自閉症者の親の会に出て思ったんだけど、一人だと自分の子どもの将来を考えて重くなったりするけど、大勢で話し合うと「なんだ、みんな同じなんだって」思うんです。その上、自分はこうだと思っていたけどもっと簡単なやり方があったというヒントや気づきももらえるじゃないですか。

奥野:確かに、メモする効用として、「頭の中がスッキリする」というのは大きいですね。私も「自分だけのノートなんだから『何を書くべきか』なんて、かしこまらないでいいんだ」ということをよく言っています。

 ちょっと聞いたこと、ちょっと気になったことでも、書いておくと、忘れる心配はなくなるし、もやもやした悩みも言葉にすると解決への見通しがつきやすい。

 人間関係でも、実際はそうじゃないけど、人って勝手に嫌われているんじゃないかとか邪推しちゃいますから、メモを通して相手の言うことを素直に聞いたりとコミュニケーションを取ることは大切ですね。佐々木さんは、部下の方と飲みに行かれた時も、忘れないようにメモしたりもされるのでしょうか?

佐々木:飲みながら話すとやっぱり忘れちゃうけど、話を聞いてあげようというつもりでいれば記憶に残りますね。そして、帰る電車の中とか、次の日の朝などに、メモ用紙や手帳に書いておきます。

 部下と飲みに行くときは聞こうと思っていないと、せっかくのチャンスが無駄になりますね。なるべく自分は話さないで、部下の話を聞いてあげるというスタンスで聞かないと頭に入ってこない。あいつはこんなことで悩んでるんだなというのは、仕事にも活かされますよね。自分のことだけしゃべっていたら何も収穫ないですよ。

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