今年一月一六日、霊柩車など特殊自動車製造・販売会社の老舗「セガワ(本社大阪市)」が大阪地裁から破産手続きの開始決定を受け、倒産したことが明らかになった。負債総額は約一億二〇〇〇万円(帝国データバンク)とのことだ。

 セガワの創業は一九二〇(大正九)年まで遡り、宮型や洋式と呼ばれる霊柩各車や患者輸送車など特殊用途自動車の製造を手がけた他、車椅子移動車、介助自動車等も製造し、とりわけ霊柩車の製造においては業界の“草分け的存在”として一目置かれてもいた。

 代理人弁護士によると、霊柩車の単価が下落したうえ、受注減少による業績悪化が倒産の理由だそうだ。特に、セガワが主力としていた“宮型霊柩車”の需要が少なくなったのが大きかったとのことだ。

 宮型霊柩車と言えば、かつては霊柩車の主流だった。宮型霊柩車というのは、神社や御輿を模した造りや装飾を自動車後部の棺室に設置した霊柩車のことで、白木や漆塗り、金箔で彩られていて、絢爛豪華でもあった。換言すれば、霊柩車と言えば宮型だったのである。

 アラフォー以上の年代なら比較的目にしていただろう宮型霊柩車だが、ふり返れば久しく目にしていないことに気づかされる。セガワが倒産に追い込まれたように、宮型霊柩車は需要が激減しているのだ。

 全国霊柩自動車協会(全霊協)によると、昨年四月の時点で、霊柩車は全国に約五〇〇〇台あるが、八割が洋型とバン型で占められているとのことだ。宮型は約六五〇台ほどで、霊柩車全体ではもう約一割くらいしか存在していないらしい。二〇〇〇(平成一二)年には全国に約二一五〇台あった宮型霊柩車だが、二〇〇九年に洋型を下回った。

 料金体系は宮型、洋型ともに十キロほどの距離で二~五万円とさほどの違いはないそうなのだが、宮型霊柩車はどうにも敬遠されるらしい。宮型霊柩車は全国一五〇カ所以上の火葬場で入場が規制され、大阪府枚方市や埼玉県熊谷市などは条例で、宮型霊柩車の火葬場への出入りを禁じてもいる。