劣悪な職場なのに「辞める」決断ができないのはなぜか身体を壊すほどの激務の場合、「これでは身体が持たない」と感じたら、身体を壊す前にその仕事を辞めるべきです!

身体に変調を来しているのに
辞めたら周囲に迷惑が……

 多くの職場で人手不足が深刻になり、一人ひとりの負担が大きくなるケースが目につくようになっています。

 基本的に、というところから言えば、仕事に我慢は付き物です。世の中にラクして稼げる仕事はなく、大変だからこそ給与をもらえるのであり、自分のスキルや能力を磨くためにも頑張って働くことは必要です。

 しかし身体を壊すほどの激務となれば話は別で、それは一線を越えているというべきです。「これでは身体が持たないな……」と感じるようであれば、本当に身体を壊す前にその仕事を辞めたほうがよいと思います。

 ところが第三者から見て「そんな働き方を続けていたら身体を壊す」という状況に置かれているのにもかかわらず、なかなか辞める決断ができない人がいます。当社にご相談に来る方の中では、システム系の人によく見かけます。

「平日はもちろん、土曜日も深夜まで仕事をしていて、休日は日曜日だけ。さらに向こう1ヵ月はシステムの置き換え作業が入るので、日曜日も出社です」
「最近、ちょっと手が震えるんですよね……」

「身体に変調を来しているなら早くお辞めになったほうがよいのでは……」と言うと、「今のプロジェクトが終わるまでは辞められません。周囲に迷惑がかかってしまうので……」とのことでした。周囲にしわ寄せがいくことを気にしているわけです。

 また、身体を壊しそうな激務なのに辞めない理由としては、「まだ1年しか勤めていないのに退職して大丈夫だろうか……」「大変だからと辞めてしまって、次の仕事はあるのだろうか……」といった不安の声をよく聞きます。こちらは世間体を気にしているパターンです。