[東京 30日 ロイター] - 経済同友会(代表幹事:小林喜光)は、子どもの貧困や機会格差の根本的解決に向けた政府や企業の取組みを提言としてまとめた。教育こそが貧困連鎖を断ち切る鍵として、幼児教育無償化、義務教育期間の諸費用完全無償化、高校義務教育化、高等教育への給付型奨学金制度の整備拡充など11項目を提案。必要となるおよそ3兆円の財源には、消費税増税分の教育目的化、「子ども国債」、雇用保険積立金の活用などを挙げた。

子供の貧困問題に企業や政府が取り組むべき対策として、国の追加負担が必要となるのは、3─5歳の幼児教育義務化に年間4400億円、小中学校での給食費や諸費用完全無償化に合計1兆2200億円、高校義務教育化に1兆円などと試算。

企業がなすべきこととして挙げたのは、働きがいのある人間らしい仕事を増やす、地域で活動するNPOを支援する、高校への派遣授業など職業教育と社会人教育の一助とする、給付型奨学金などを設ける、四年生大学に偏重した採用活動を見直すなど。

大学を除く教育無償化に必要な約3兆円の財源は、社会全体で負担すべきとした。財政健全化を前提に、消費増税分や教育目的化、子ども国債のほか、ふるさと納税の地元出身学生への奨学基金化など、社会保障と税の一体改革の中でしっかり議論し、「高齢者から子どもへの予算の転換」を明確に打ち出すべきだとした。

このほか、子どもへの支援を行うNPO法人等への寄付における控除額拡充や、資産寄付に対する相続税控除、積立金残高が6兆円以上にのぼる雇用保険の一部または全部を教育財源に充てることなども盛り込んだ。

(中川泉)