[シドニー 31日 ロイター] - オーストラリア競争・消費者委員会(ACCC)は31日、米アップル<AAPL.O>の非接触型決済技術の利用を巡り、大手銀4行にアップルとの集団交渉を認めない判断を下した。

こうした判断は世界でも初めてで、前例となる可能性がある。

アップルの非接触型決済技術の利用を認めれば、スマートフォン「iPhone」や腕時計型端末「アップルウォッチ」などに銀行独自の決済アプリを導入することが可能になり、銀行にとっては手数料回避や、顧客による自社アプリの利用拡大につながる可能性があった。

一方、集団交渉を認めた場合、国内クレジットカード市場で3分の2のシェアを持つ大手銀4行側の交渉力が増すうえ、世界中の規制当局に対してアップルの決済システムへのアクセスを求める声が高まる懸念もあった。

ACCCは銀行側に交渉力を与えることで、アップルの競争力低下を懸念。

ACCCのロッド・シムズ会長は判断の理由について「集団交渉の機会を認めれば銀行がアップルとの交渉を優位に行うことができる点は認めるが、利益より不利益が大きい」と説明した。

アップルの広報担当は「電子決済サービス『アップルペイ』で可能なもっとも簡単かつ安全な決済方法」を求めるオーストラリア人にとって素晴らしい決断だったと述べた。

銀行側の代理人は、4行がモバイル決済について今後の方針を個別に検討することを明らかにした。

コモンウェルス銀行<CBA.AX>、ウエストパック銀行<WBC.AX>、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)<NAB.AX>、ベンディゴ・アンド・アデレード銀行<BEN.AX>の4行は、アップルの電子決済サービス「アップルペイ」にはまだ対応していない。

豪銀大手オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)グループ<ANZ.AX>は昨年、「アップル・ペイ」の提供を開始。マッコーリー・グループ<MQG.AX>、INGグループ<INGA.AS>子会社INGダイレクトは2月に導入した。

ウエストパックの広報担当は「アップルペイ」の導入余地を残していると表明。コモンウェルスとNABはコメントを避けた。ベンディゴ・アンド・アデレードからはコメントを得られていない。

*内容を追加します。