[シドニー 3日 ロイター] - オーストラリアの不動産コンサルタント会社、コアロジックが3日発表した3月の同国主要都市の住宅価格は前年同月比12.9%上昇で、2010年5月以来約7年ぶりとなる大幅上昇を記録した。伸び率は2月の11.7%からさらに加速した。

前月比は1.4%上昇で、2月と変わらなかった。

住宅価格の上昇加速は、不動産バブルのリスクを警戒する豪準備銀行(中央銀行)の懸念要因となりそうだ。中銀は不動産バブルが最終的に消費者と銀行の双方に悪影響を与えかねないとの見方を示している。

豪証券投資委員会(ASIC)は3日、住宅価格の上昇抑制に向けた新たな措置を打ち出した。利息のみの返済が可能な融資であるインタレストオンリー(IO)ローンについて、銀行やブローカーが過度に割高な商品を顧客に勧めないよう監視を強める。

IOローンを巡っては先週、豪健全性規制庁(APRA)も規制強化策を発表。また、主要銀行もIOローン金利を引き上げている。

コアロジックの調査部門責任者ティム・ローレス氏は「投資用住宅への融資条件は厳格化が予想される。国内主要銀行による住宅ローン金利の引き上げは主要都市で過熱する住宅市場の沈静化につながる可能性がある」と指摘した。

3月のシドニーの住宅価格は前月比1.4%上昇、前年同月比18.9%上昇。メルボルンは前月比1.9%上昇、前年比15.9%上昇した。

ホバートと首都キャンベラでも前年比2桁上昇したが、パースとダーウィンでは低下した。

一方、豪連邦統計局が発表した2月住宅着工許可件数(季節調整済み)は前月比8.3%増加。伸び率は7月以来の7カ月ぶりの高水準だった。

一部のエコノミストは、供給が需要に追い付けば、住宅価格も抑制されると予想している。

コムセックの上級エコノミスト、サバンス・セバスチャン氏は「投資家は今回の措置も含め、規制強化で住宅需要が鈍化するリスクを認識する必要がある」と警告した。

また、2月の豪小売売上高は予想に反して減少し、重い負債を抱える家計が支出に慎重になっていることが示された。

同売上高は前月比0.1%減で、事前予想(0.3%増)を下回った。

小売売上高の減少、過去最低水準の賃金伸び率、雇用市場の低迷、コアインフレ率が豪準備銀の目標帯(2─3%)を下回っていることを考え合わせると、中銀による利上げは考えにくい。

QIC(ブリスベン)の主任エコノミスト、マシュー・ピーター氏は「中銀は住宅市場の過熱に火を注ぐとの懸念から利下げできない。既に足取りの重い国内経済を圧迫するとの懸念から、利上げもできない」と指摘した。

中銀は3月の理事会で政策金利の据え置きを決定。

最新ロイター調査によると、4日の理事会でも据え置きが確実視されている。