3月31日、中国の大手銀行経営者は、資産の質改善や借り入れ需要増加などを背景に、今年は利益が上向く可能性があるとの見通しを示している。上海の金融街で2015年3月撮影(2017年 ロイター/Aly Song)

[北京 31日 ロイター] - 中国の大手銀行経営者は、資産の質改善や借り入れ需要増加などを背景に、今年は利益が上向く可能性があるとの見通しを示している。

 工商銀行(ICBC)の易会満会長は30日、全般的な景気回復のプラス効果を理由に挙げて、経営環境の「トレンドは前途有望だ」と述べた。

 大手5行のうちICBCを含めた4行は昨年の増益率がいずれも2%弱にとどまり、中国銀行に至っては減益となった。

 ICBCと建設銀行(CCB)、農業銀行、交通銀行による昨年の不良債権処理額の合計は16%増の2572億元に上った。同時に純利ざやの縮小で融資業務における収益も悪化した。

 CCBの場合、純利ざやは43ベーシスポイント(bp)縮んで2.20%になった。

 しかし足元で純利ざやの縮小には歯止めがかかり、大手5行の利益は持ち直すとの予想が広がっている。

 サンフォード・C・バーンスタインの中国銀行シニア株式アナリスト、ウェイ・ホウ氏は、5行のうちのいくつかは今年、利益が5%かそれ以上増えるかもしれないと予想。「経営陣は非常に慎重で、融資引き受けの基準を厳格化し、将来の与信コスト(増大)を防いでいる」と述べた。

 これらの銀行の香港上場株は年初来で6─13%上昇しており、投資家も利益改善を期待していることがうかがえる。

 中国政府によるインフラ投資拡大計画で、長期的な借り入れの需要が高まっている面もある。ICBCのGu Shu社長は「今年は企業向け融資、とりわけ都市部のインフラ建設や輸送の分野で昨年よりも需要が強い」と話した。

 一方で政府が消費刺激にも取り組んでいる中で、CCBの王祖継社長は中小企業や個人向けの融資を増やす方針を表明した。

 各銀行は不良債権を減らして資産の質を向上させるさまざまな対策として、大規模な償却とともに債務の株式化も進めている。

 アナリストの試算では、昨年10月以降に銀行が国有の石炭・鉄鋼企業との間で合意した債務の株式化の総額は約5000億元に達し、年内に規模はその倍になる見込みだという。

(Matthew Miller、Shu Zhang記者)