4月4日、米中両国首脳が6─7日にフロリダ州で行う初の直接会談を前に、中国と関係がある米国の産業界からトランプ政権にさまざまな要望が寄せられている。写真はトランプ大統領。ワシントンで撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[北京/ワシントン 4日 ロイター] - 米中両国首脳が6─7日にフロリダ州で行う初の直接会談を前に、中国と関係がある米国の産業界からトランプ政権にさまざまな要望が寄せられている。さすがにすぐ成果が得られると期待する声は乏しい一方、貿易紛争への懸念はくすぶり続けている。

 関係者の話では、米鉄鋼業界はトランプ大統領に、米国に入ってくる中国の鉄鋼製品の価格が安過ぎる問題で、習近平国家主席に圧力をかけてほしいと考えている。米自動車メーカーが不満を唱えているのは、両国の不公平な関税率。米国が輸入自動車にかける税率は2.5%だが、中国は25%だという。

 そして中国の動向が最も大きな影響を及ぼすのは、恐らく米国のハイテク業界だろう。各社は6月に実施される中国の新たなサイバーセキュリティー法が外国企業にだけ厳しく適用される事態を心配している。こうした中でアップルやIBMなどが代表者を送り込んでいるシンクタンク、情報技術革新財団(ITIF)は、中国が「市場操作をやめるよう」働き掛けてほしいとトランプ政権に求めた。

 ただトランプ氏は、通商問題で自ら選んだ何人かの重要な政策アドバイザーなしで会談に臨まなければならない。米通商代表部(USTR)代表に指名されたロバート・ライトハイザー氏、駐中国大使に指名されたアイオワ州のテリー・ブランスタド知事はともに上院で承認されていないからだ。国務省のアジア政策担当のいくつかの幹部ポストもまだ埋まっていない。

 かつて中央情報局(CIA)の中国事務所長を務めたミンツ・グループのアジア担当マネジングパートナー、ランダル・フィリップス氏は「この状況を踏まえると、首脳会談で具体的な形で大きな成果が出てくることはおろか、成果を生み出すための戦略に関する関係省庁間の重要な話し合いが行われたことすら想像し難い」と述べた。

 トランプ氏は米企業が中国への投資を中止して国内で雇用を創出すべきだと主張したり、中国が為替相場を操作していると批判。米国の貿易赤字の原因調査を指示した大統領令に署名した際には、外国による「米国の繁栄の盗み取り」を終わらせると宣言した。

 このため一部企業からは、中国との貿易紛争に発展し、同国が報復措置を発動する事態にならないか気をもんでいる。

 米中ビジネス協議会(USCBC)幹部のジェイコブ・パーカー氏は、両国首脳は「貿易紛争をもたらす報復行為ではなく、相互の関係強化につながる前向きな行動」を取る必要があると訴えた。

 中国は米国産大豆の最大の輸入国で、中国が報復措置を講じた場合は特に大きな打撃を受けかねないと指摘する専門家もいる。

 アメリカ大豆協会(ASA)のスティーブ・センスキー最高経営責任者(CEO)はロイターに対して、米中関係が悪化すれば双方が多くを失うと認めた上で、トランプ氏が両国の通商関係について「慎重」に対応して、「実務者的なやり方」で問題を解決するよう望んでいると語った。