4月4日、米アップルの英イマジネーション・テクノロジーズとのライセンス契約停止の決定は、製品の中核となる技術を自ら支配することで、大幅な利ざやを維持しつつ、拡張現実(AR)など将来の技術革新に備える同社の決意の表れだ。写真はアップルのロゴ。パリで1月撮影(2017年 ロイター/Charles Platiau)

[サンフランシスコ 4日 ロイター] - 米アップルは画像処理用のグラフィック・チップについて、英イマジネーション・テクノロジーズとのライセンス契約を停止することを決めた。これは製品の中核となる技術を自ら支配することで、大幅な利ざやを維持しつつ、拡張現実(AR)など将来の技術革新に備える同社の決意の表れだ。

 アナリストによると、アップルはこれまでも外部業者への依存を減らしてきた。スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の主なプロセッサーはかつて、ソフトバンクグループが買収した英半導体設計会社ARMホールディングスに大きく依存していたが、現在ライセンス契約を結んでいるのはARMの基礎的な構造のみで、大半のチップは自社で設計している。

 2014年にヘッドフォンのビーツ・エレクトロニクスを買収した際には、既存の情報伝達用チップを廃して自社で設計したブルートゥース用の「W1チップ」を導入した。

 電子部品のチップを調査するテックインサイツのバイスプレジデント、ジム・モリソン氏は「アップルは従来の納入業者ときっぱり決別し、5つ程度のチップを1種類に置き換えた」と話す。

 アップルのルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)は2月の会議で「われわれは以前に比べ、基本的な技術の社内開発を大幅に増やした」と述べた。

 大半の消費者向け電子機器メーカーは、チップの設計・開発を外部業者に頼っている。コストが極端に高いのが主な理由だ。

 しかしアップルは非常に巨大化したため、自社で設計したり、小さな部分だけ他社とライセンス契約を結び、それを基に開発を進めていくことが経済的に見合うようになった。チップの実際の製造は今でも外部に委託している。