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吉田恒のデータが語る為替の法則

円高・米ドル安はもう終わった可能性が高いと私が考えるこれだけの理由

吉田 恒
【第133回】 2011年5月25日
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 米ドルの一進一退が続いています。

 ただ、じつはもう80円すら大きく割り込む可能性がなくなり、早ければ7月以降に、遅くても9月以降に86円を超えて、年末までに90~95円になる――。過去の「米ドル高パターン」を参考にすると、そんなシナリオになりそうです。

再び80円を大きく割れるかどうかが重要なカギ

 米ドルは5月初めに一時80円割れとなりましたが、その後は81~82円を中心とした一進一退が続いています。

 これは、3月17日につけたザラ場(取引時間中)の76円台、終値の78円台が大底で、5月初めの80円割れが「一番底」を打ったことを再確認する「二番底」だったということでしょうか?

 そのカンタンな見極め方の1つは、再び80円割れとなるかということです。つまり、米ドルが大底を打って、新たな「米ドル高・円安トレンド」が始まっているならば、米ドルは80円を大きく下回ることはないでしょう。

 逆に言えば、米ドル/円が再び80円を大きく下回るようならば、まだ大底を打っていなかった可能性が出てくるということです。

 なぜこのような考え方になるのか、「資料1」を使ってご説明します。これは、過去4回の「米ドル高トレンド」のグラフを重ねたものです。

 これを見ると、「米ドル高」が始まってから1年間、対円でどんなふうに展開するのか、パターンがわかるでしょう。

資料1

 

 じつは、あのザラ場で76円台、終値78円台を記録した3月17日から、すでに約50営業日が過ぎました。

 この「資料1」を見ると、「米ドル高」が始まってから50営業日が経過したところでの1つの特徴として、さすがに米ドルがあまり下がらなくなってきていることがわかります。

 この「資料1」の中で、もっとも米ドルが反落したのは黄色のグラフですが、これと同じように米ドルが反落しても、今回の場合、米ドルが80円を大きく下回らない計算になります。

 私は先ほど、「米ドル高トレンド」が始まっているならば、米ドルはもう80円を大きく割り込むこともないだろうし、もし80円を大きく割り込むようならば、まだ大底を打っていない可能性が出てくると述べました。

 より正確に言えば、後者は過去の「米ドル高パターン」では説明できないことだから、それが起こったら「珍しい米ドル高」なのか、そうでなければ、そもそもまだ「米ドル高」ではないといった解釈になるのでしょう。

「米ドル高」が始まっていても、6月までは一進一退が続く

 この「資料1」を見ながら、「米ドル高・円安」が始まった時にどんなクセがあるのか、もう少し考えてみましょう。

 みなさんの中には、4月にいったん勢いよく85円台まで「米ドル高」となったものの、その後に急失速して一進一退となっていることから、米ドル/円の方向感がわかりにくいと感じている人も少なくないかもしれません。

 しかし、「米ドル高」が始まって40~50営業日が過ぎたところでは、いつも「こんな程度」ということのようです。

 今回、86円突破目前で失速した「米ドル高」でしたが、86円を超えると終値ベースでは10%以上の「米ドル高」という計算になります。

 しかし、「資料1」を見てわかるように、過去4回のケースでは、「米ドル高」が始まってから40営業日程度で、対円で10%以上も米ドルが上昇したことはありません。

 「資料1」の4つのケースで、「米ドル高」が始まって、最短で「10%のカベ」を超えて米ドルの上昇が広がっていったのはピンク色のグラフですが、それでも80営業日程度、つまり、3ヵ月半ほどかかっていました。

 それどころか、青色のグラフは「10%のカベ」突破まで130営業日程度かかっていました。カレンダー的にいうと、半年もかかったのです。

 ここからわかることは、最短でも3ヵ月半、場合によっては半年以上かかるのが普通だということです。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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