[ブリュッセル 5日 ロイター] - 欧州の財務相らは今週の会合で、域内銀行の利益や資本を圧迫し、融資を妨げている不良債権問題への対応策を検討する見通しだ。

マルタで開催される7日のユーロ圏財務相会合、8日の非公式EU財務相理事会の準備文書で明らかになった。

同文書によると、EU諸国の銀行が抱える不良債権(NPL)は2008年の金融危機とその後の欧州経済の低迷によって、融資全体の5.4%に相当する1兆ユーロ(1兆0700億ドル)に膨らんでいる。

文書は、共通の定義がないため他国と比較するのは難しいとした上で、2015年時点の米銀のNPL比率は1.7%、日本は1.6%だったとしている。

あるEU当局者は「NPLへの対応ペースはまだ比較的遅い。このペースでの対応が続いた場合、かなりの時間がかかるだろう」と語った。

当局者らによると、銀行は5.4%のNPL比率に対処できる可能性があるものの、この平均値には1%から47%までという各国間の大きな差が隠されている。

NPL比率が最も高い国々はギリシャ、キプロス、ポルトガル。続いてイタリア、スロベニア、アイルランドとなっている。

文書は「この規模を踏まえると、NPL問題は景気回復局面でも単独で解決できない。金融支援プログラムなどを通じ、大規模な措置がすでに取られているが、NPL比率を持続可能な水準に押し下げるため、さらなる対策が必要だ」と指摘。

EU全体の銀行監督による不良債権処理の一元化や、破産法の統一、不良債権を取引できる市場の開発、NPL管理会社の設立、銀行システムの再編検討などを提言している。