4月4日、中国乳業大手、中国輝山乳業の財務危機は、急成長を遂げる中国企業が裏で複雑な金融手法を駆使し、債務を膨らませている実態を浮き彫りにした。写真は同社のロゴ。遼寧省で3月撮影。提供写真(2017年 ロイター/China Stringer Network)

[彰武(中国)4日 ロイター] - 中国乳業大手、中国輝山乳業の財務危機は、急成長を遂げる中国企業が裏で複雑な金融手法を駆使し、債務を膨らませている実態を浮き彫りにした。

 中国輝山乳業は牛の「セール・アンド・リースバック」から富裕層への理財商品販売に至るまで、同社の幹部が「革新的な金融」と呼ぶ手法に手を出していた。

 それが今、膨大な債務を抱え、銀行への支払いが遅延して不本意な注目の的となっている。同社の株式は昨年暮に空売りの標的となり、先月には1日で85%も下落して売買停止に追い込まれた。

 財務担当役員のGe Kun氏は行方不明だ。

 中国の銀行の不良債権額は落ち着いているように見えるが、バランスシートの質には多くの疑問が残っていることを、この一件は思い起こさせた。輝山乳業には中国工商銀行、中国農業銀行の他、地方銀行やリース企業、オンライン融資企業が資金を貸している。

 コントロール・リスクスのアナリスト、ショーリン・チョウ氏は「発展の遅れている省や県の地場銀行に行くと、規模はもっと小さいが、輝山乳業に似た事例が山ほど見られる」と話した。

 輝山乳業は2013年、香港に上場し、13億ドル規模の新規株式公開(IPO)に個人投資家が殺到した。大量の雇用創出を約束していた同社を遼寧省は声高に支援し、「来年は皆、輝山乳業で働こう」というスローガンを掲げた。

 しかし今、遼寧省政府は同社と債権銀行23行の会合の仲介役を果たしている。

 地元農家によると、牛乳価格の下落と飼料コストの上昇がこの地方の酪農に苦境をもたらした。

 輝山乳業は複雑な金融技巧を駆使していることを隠してこなかった。

 昨年11月には乳牛4万頭を担保に金融リース会社から7億5000万元(1億1000万ドル)の融資を受け、今年5月から10回に分けて返済すると表明していた。この種のリースを実施したのは2度目だ。

 帳簿を見ると、理財商品を販売していたことや、短期の融資が積み上がり、債務が資産を上回っている可能性がうかがえる。

 失踪した財務担当役員のGe氏は昨年、「将来的に革新的な手法」を採用する考えを示していた。

(Jake Spring記者)