[ロンドン 5日 ロイター] - フランス大統領選に関する見通しを誤ることを恐れる投資家の間で、世論調査にも賭け業者のオッズにも頼らない「予測コンテストサイト」が新たな手掛かりとして脚光を浴びつつある。

世論調査の不正確さは以前から懸念されており、近年では政治イベントに対する投資の判断材料として賭け業者のオッズへの依存度が増していた。ただ昨年の欧州連合(EU)離脱派が勝利した英国民投票と、ドナルド・トランプ氏が当選した米大統領選は、賭け業者も世論調査も等しく結果を読み違えてしまった。

そして今回のフランス大統領選で市場が懸念しているのは、反EUを掲げる極右政党の国民戦線を率いるマリーヌ・ルペン氏が勝利する事態だ。

各種世論調査は、ルペン氏が5月の決選投票に進んだ後に敗北することを示している。一方賭け業者が設定しているオッズに基づくルペン氏当選の確率は約25%で、米大統領選においてトランプ氏に付与されたのとほぼ等しい。世論調査でもフランスの有権者の3分の1ないしそれ以上が投票相手を変える可能性があると答えており、市場としてはどうやったらこの不透明な局面を乗り切れるかが問われている。

こうした中で従来と異なるアプローチが、予測コンテストサイト運営企業のハイパーマインドから提起されている。同社のサイトは、イベントごとに一般から予測を幅広く募り、正確な予測を重ねた人ほど強い発言力が得られる半面、間違い続けた人は淘汰されていく仕組み。それに基づくとフランス大統領選でルペン氏が勝利する確率は約12.5%となっている。

ハイパーマインドの共同創設者エミール・セルバンシュライバー氏は、具体的な顧客名は公表しなかったが、ヘッジファンドや銀行、政府機関などに情報を提供していると説明した。

それだけの実績も残している。ハイパーマインドは、こうした「クラウドベース」、あるいは統計ベースの予測機関8社の中でブレグジット(英国のEU離脱)とトランプ氏当選の確率を最も高く弾き出していたのだ。

米紙ワシントン・ポストは大統領選後、ハイパーマインドとグッド・ジャッジメント・オープンを最も正確な予測機関だったと評価した。グッド・ジャッジメント・オープンは、ハイパーマインドと同様の予測コンテストサイトで、グッド・ジャッジメント・インコーポレーションに運営されている。

この2つのサイトはいずれもグッド・ジャッジメント・プロジェクト(GJP)と呼ばれる、米国防総省の予測分析に関する先端研究の参加組織から民間企業として分離したものだ。

ハイパーマインドの特徴は、英国に本社登録されていながら創設者2人がフランス人で、サイトも英語と仏語で提供しているため、フランス人の予測コンテスト参加が多い点にある。

セルバンシュライバー氏は、だからこそハイパーマインドの示す予測はフランスの有権者の考えをより代弁していると指摘。「フランスの領域から予測者が遠ざかるほど、ルペン氏勝利の確率を高くみる傾向がある」と述べた。

英国の賭け業者ラドブロークスによると、ブレグジットと米大統領選でまんまと予想を的中させて味を占めた一部の人々が、フランス大統領選でルペン氏に賭けてまたもうけようと狙っている。こうした事情で、世論調査での劣勢にもかかわらず、ルペン氏のオッズが押し上げられているようだ。賭けに参加する人々の間で、フランス大統領選が第1回投票と決算投票が行われる可能性があるという仕組みを十分理解していない面もあるという。

ラドブロークスが提示している5日時点のオッズから見たルペン氏勝利の確率はおよそ25%だ。

(Jemima Kelly記者)