4月6日、金融機関に対する検査・監督手法の改革に向けて、金融庁の有識者会議がまとめた報告書が波紋を広げている。2013年11月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 6日 ロイター] - 金融機関に対する検査・監督手法の改革に向けて、金融庁の有識者会議がまとめた報告書が波紋を広げている。報告書をもとに同庁が新体制に移行すれば、金融機関の将来の経営方針や人事に「介入」されるとの懸念が浮上しているためだ。行政の対応が過剰になる弊害を抑制するため、外部の有識者が金融行政を監視する必要があるとの指摘も出ている。

「お目付け役」の派遣おそれる銀行

 地銀などを中心に金融界では、ある疑念が浮上している。今回の報告書を受け、金融庁が検査・監督両局を統合すれば、金融機関の経営状態に応じてオフサイト(聞き取り調査)とオンサイト(立ち入り調査)を使い分けるようになり、「経営内容が厳しいところは、ビジネス・モデルや経営の選択肢について、オンサイトを中心にしてこれまで以上に追及される」(金融機関関係者)との思惑が出ている。

 ある地銀の幹部は「金融庁にされて一番困るのは、人事に口を出されること」と打ち明ける。検査局と監督局の組織の一体化で、人事への介入に警戒している。

 金融庁が顧客企業への人材紹介などによって官民ファンドの地域経済活性化支援機構(REVIC)と密接に連携するよう、行政方針の中で金融機関に求めていることもあり、同地銀幹部は「地域の実情に必ずしも精通しているとは言えないREVICの人材を、金融庁が経営のお目付役として送り込んできたら大変なことになる」と話す。

 一方、金融庁は全く別の情勢認識をもとに組織改革に着手しようとしている。

 検査と監督を別組織にしたのは、金融庁の前身である旧金融監督庁が発足した1998年から。当時は、バブル崩壊の影響で金融機関の不良債権が膨張。不良債権の全体像は政府高官でも把握できていないと言われたため、検査官は「レントゲンのようになれと言われた」(元金融庁幹部)という。検査官が配慮を加えては、銀行の財務状況が正確につかめず、全容解明が頓挫してしまうからだ。