[東京 7日 ロイター] - 金融庁の森信親長官は7日、投資信託の組成や販売で、顧客の利益よりも手数料獲得が優先されている例があると指摘し、投信の販売会社や運用会社に対し、顧客利益を最優先したビジネスモデルに転換することを求めた。その上で顧客利益を顧みない会社は淘汰(とうた)されるよう市場メカニズムが働く環境づくりが同庁の責務であると強調した。

森長官は同日午後、都内で講演した。その中で投信組成や販売の現場では「消費者の真の利益を顧みない生産者の論理が横行している」と指摘。「手数料獲得が優先され、顧客の利益が軽視される結果、顧客の資産を増やすことができないビジネスは、社会的に続ける価値があるのか」と語った。

そのうえで、高い運用力や顧客本位の対応が根付いた金融機関が発展し、「顧客本位」を口で言うだけで、具体的な行動につなげない金融機関は淘汰されていく市場メカニズムが有効に働くよう、環境を作っていくことが金融庁の責務だと述べた。

金融庁は3月、金融機関が顧客本位の業務運営を行うための原則を発表。各金融機関は、原則への対応方針を作成、公表するよう求められている。

森長官は「体裁を表面上整えるのではなく、ベストプラクティスを目指して、よりよい金融サービスの提供を競い合うなど、実質を伴うかたちで実践していくことが期待される」と注文をつけた。

(和田崇彦 編集:田巻一彦)