[ワシントン 9日 ロイター] - 米軍によるシリア空軍基地へのミサイル攻撃を巡るトランプ政権高官の9日の発言では、対シリア政策の展望にばらつきが見られ、シリアのアサド大統領の退陣が米政権の目標なのかどうか、疑問が浮上している。

米国は6日、シリア北部への化学兵器攻撃の拠点となったとされる空軍基地に対するミサイル攻撃を実施。マクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)を含む複数の米当局者は、米国は必要な場合にさらなる措置を講じる用意があると表明した。

ヘイリー米国連大使はNBCの番組で、米国はシリアにおける「複数の優先事項」があると発言。アサド大統領が政権を握る限り、地域の平和は実現できないとの認識を示した上で、米国は退陣に向けたプロセスを「確実に推進する必要がある」と語った。

一方、ティラーソン国務長官のシリア政策に関する発言は国連大使の発言とはニュアンスが異なった。

ティラーソン長官は、米軍のミサイル攻撃はアサド政権による化学兵器の使用を阻止するためだけに行われたと説明。ABCの番組では「シリアにおける米軍の態勢に変更はない」と語った。

長官はまた、シリアにおける米国の優先事項は過激派組織「イスラム国(IS)」の打倒であり、ISの打倒後に米国はシリアに安定をもたらす「政治的プロセス」に関心を移すことが可能になると述べた。

マクマスター大統領補佐官はフォックス・ニュースの番組で、アサド大統領を退陣させるべきかどうかについて、「われわれがその変化をもたらす当事者であるとは言っていない」と語った。

米国の議員は総じてシリア空軍基地へのミサイル攻撃を支持しているものの、トランプ政権の対シリア政策が明確でないことを懸念する声が一部の共和党議員から上がっている。

共和党のルビオ上院議員はABCに対し、「アサド政権に将来はないとしたヘイリー国連大使の発言と、ティラーソン国務長官の今朝の発言は一致していないようだ」と指摘。アサド政権の今後に関与しないままIS打倒に専念するとした国務長官の戦略は機能しないとの見方を示した。