[東京 11日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べドル安/円高の110.68/70円だった。米金融引締めの思惑後退や地政学リスクへの警戒を受けて上値の重さが意識されたが、下押しの決め手も欠いており、方向感は出なかった。

午後のドル/円は110円半ばを軸に10銭程度の狭い値幅での動きにとどまった。

ドル/円の上値の重さについて、市場では、イエレンFRB議長のハト派寄りと受け止められたコメントや、シリアと北朝鮮をめぐるリスク回避の思惑を踏まえて、投機筋の間では短期的なドル/円のショート構築の動きもあったとみられている。

一方、売り込むほどの材料も目先では見当たらないとされる。みずほ銀行の国際為替部参事役、加藤倫義氏は「(投機的なショートは)いずれ買い戻されるため、底は深くならないのではないか」と指摘していた。

目先の手がかりに乏しい中、レンジプレーに取り組む個人投資家の様子も観測された。外為どっとコム総研の調査部長、神田卓也氏は「トレンドが出ないため、短期的に小さい値幅で上下を狙う動きが目立つ」と話す。中心となるのは110.50─111.50円の1円幅と見られている。

早朝の取引では、イエレンFRB議長が講演でタカ派的な発言をするとの思惑が強まって、ドルは111.11円まで買い進まれた。しかし、蓋を開けるとハト派寄りの内容だったため失速。「にわかドルロングが巻き戻された」(金融機関)という。

イエレン議長は10日(日本時間11日早朝)、経済を過熱させることなく健全な成長を維持するため、FRBは緩やかなペースで利上げすることを計画している、とした。

正午にかけても、シリアや北朝鮮など地政学的リスクが意識される中、ドルの上値は重かった。

ユーロ/円は一時117.06円と昨年11月18日以来5カ月ぶり安値まで下落。仏大統領選を巡る政治的な不透明感と、地政学的リスクを意識した円の買い戻しが相乗効果となってユーロ安/円高が進んだ。

ドル/円<JPY=>  ユーロ/ドル<EUR=>  ユーロ/円<EURJPY=>

午後3時現在 110.68/70 1.0584/88 117.15/19

午前9時現在 110.69/71 1.0595/99 117.28/32

NY午後5時 110.93/95 1.0593/99 117.53/57

(為替マーケットチーム)