[東京 12日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は12日、脳卒中などで足が不自由な患者が歩行訓練をするためのリハビリテーション支援ロボットのレンタルを9月から開始すると発表した。

同社は車の生産で導入した産業用ロボットや車の技術を応用して移動や生活に役立つ「パートナーロボット」の開発を進めてきており、実用化は今回が初めて。

少子高齢化社会に役立つ商品として、歩行訓練用を皮切りに、介護支援用ロボットや対話するロボットなどを順次実用化する予定で、2020年ごろには実用化されるロボットの種類が増える見込み。

磯部利行常務役員は、必要とされる商品を世に送り出し、その結果として収益につながる「事業として発展させていきたい」と述べた。また、高齢化が進み、車の運転が難しくなる人が増える中、トヨタが目指す「すべての人に移動の自由を提供する」ためには、中核事業である車だけでなく、社会の変化とともにパートナーロボット事業にも注力すべきとの考えを示した。

歩行訓練用ロボットは曲げ伸ばしを補助するロボットを脚に装着して動く床の上を歩き、前方のモニターで姿勢を確認しながら歩く練習をする。レンタル価格は月35万円で、初期費用100万円(税抜き)。5月から受注を始め、まずは国内で3年程度かけて100台のレンタルを目指す。数年後には日本人と体格の似ているアジアなど海外での展開も図る。

トヨタは07年末から藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同でリハビリ支援ロボットの開発を始め、11年から医療現場での実証実験を実施。歩行訓練用はこれまで全国23施設が研究目的で導入し、300人を超える患者が使用した。同大学の才藤栄一教授によると、比較的症状の重い患者が歩けるようになるまでのリハビリ期間は平均3カ月だが、トヨタの歩行訓練用ロボットを使うと1.6倍速くなるという。

京都府立医科大学大学院医学研究科リハビリテーション医学の三上靖夫病院教授は「自動車メーカーは安全に対する意識が高く、機器の安全性には十分配慮がなされている」と評価、「今後もリハビリ支援機器分野へ積極的に参画すべきだ」と話す。同教授はトヨタのリハビリ支援ロボットを使用している。

自動車メーカーではホンダ<7267.T>も二足歩行ロボット「ASIMO(アシモ)」で培った歩行理論などを生かした歩行訓練機器を15年11月からリース販売している。価格は3年間の契約で月4万5000円、16年12月までのリース台数は計159台となっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀、田実直美)