[東京 13日 ロイター] - 黒田東彦日銀総裁は13日、本店で開催しているコンファレンス「AIと金融サービス・金融市場」であいさつし、人工知能(AI)やビッグデータ分析などの新たな技術の活用は、時間・空間を超えて財・サービスやプロジェクトを繋ぐ金融の機能を「一段と高め得る」と語った。

具体的には、AIやビッグデータ分析を活用し、世界中のプロジェクトや資金を効率的に結びつけることができれば、「有望なプロジェクトをより多く実現することができ、世界経済の発展に資する」と述べるとともに、「一人ひとりの属性に、よりフィットした金融サービスが提供されれば、経済厚生の増加に結びつく」とした。

こうした中で、中央銀行を含む政策当局は、新しい情報技術そのものに過度に警戒的・消極的になるのではなく、「新しい技術のメリットを最大化し、マイナス面を最小化するよう努めていく」ことが重要と語った。

課題の1つとして、高速通信やプログラムを用いた「高頻度取引」や「アルゴリズム取引」に言及。これらは「市場の流動性を高めるとの評価がある一方で、市場のボラティリティを過度に高めるのではないか、市場参加者の多様性が失われるのではないか、と懸念する声も聞かれる」とし、政策当局として「新しい情報技術の応用が、市場価格の形成や市場構造などに及ぼす影響を注意深くフォローしていく必要がある」と述べた。

また、AIによって「人間によるコントロールが難しい事象が起こることはないか」との懸念もあると述べ、「イベント発生時も含めた責任分担やガバナンスに関し、人々の十分な信頼を得られる枠組みを構築していくことが重要になる」との見解を示した。

(伊藤純夫)