[東京  13日 ロイター] - 経済協力開発機構(OECD)は13日、対日経済審査報告を公表した。日銀は物価上昇率が2%の目標を上回るまで金融緩和策を維持すべきとする一方、資産価格や金融セクターへのリスクにも警戒すべきとの見方を示した。

OECDは2年に1度、対日審査報告を取りまとめている。

今年の日本の成長率は、消費支出、輸出、設備投資の拡大が見込まれることから、前回予想の1.0%から1.2%に小幅上方修正した。

日本は最低賃金の一段の引き上げと、中小企業の生産性改善すべきとの見方を示した。

報告書では「潜在コストと副作用を注意しつつ、2%のインフレ目標達成は引き続き最優先課題だ」と指摘した。

日銀の膨大な国債保有は流動性に悪影響を与え、日銀が出口政策を実行する際には市場の不安定性につながる可能性があるとの見方も示した。

日銀の政策を受けて、過剰なリスクテイクにより資産価格が上昇する可能性があるとも指摘。マイナス金利が銀行の収益を悪化させ、年金基金や生命保険会社の資産運用が一段と困難になるおそれにも言及した。

物価上昇率がゼロ%近辺にとどまっていることを踏まえると、量的緩和の解除はかなり先になると予想。

今年の成長率見通しは上方修正したものの、2018年については消費支出と純輸出の勢いが失われることから0.8%に鈍化するとの見通しを示した。

OECDのグリア事務総長は同日、都内で記者会見を開き、こうした提言に加え、持続可能な財政運営の必要性をあらためて強調。OECD諸国と比べて日本の消費税率が低いことに触れつつ、「(増税の)余地がまだある。毎年1%ずつ引き上げるなど、徐々に上げていくことが必要だ」とし、2019年10月の消費税率引き上げは「ぜひ実現させてほしい」と語った。

また、欧米などを中心に保護主義が高まりつつある現状を踏まえ、「開放された貿易・投資環境が重要だ」とも述べた。

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