株式レポート
4月13日 14時41分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

波乱に備えて~相場下落時に強い銘柄は?~ - 日本株銘柄FOCUS

地政学リスクへの備え

米国のシリアへのミサイル攻撃、スウェーデンやエジプト、ドイツなど世界中で頻発するテロ行為、そして北朝鮮の核問題といわゆる"地政学リスク"が高まっている。このようなリスクへの警戒が要因となってか、米国・ドイツ・日本の長期金利が揃って低下するなど安全資産への資金逃避傾向がみられる。円高が進行し、日経平均が年初来安値を更新するなど日本株も冴えない値動きとなっている。
もちろん上記で挙げた各問題が実体経済や市場に与える影響の大きさや今後の展開は未知数だ。ただ、万が一の事態に備えて準備をしておくべき局面と言えそうだ。
有事に備える1つの方法としてポートフォリオ内の現金比率を高めておくことが挙げられる。売却できるものは売却し現金化しておけば、もし市場が大幅な下落に見舞われた際にそれをチャンスに変えることもできる。また、すぐに売却はせずとも株価が大幅に下落した際に備えて損切り注文を入れておける「逆指値注文」等を活用することも有効だろう。
また、もう1つの選択肢として「下落相場に強い銘柄をポートフォリオ内に組み入れる」ということも検討余地があるかもしれない。現金比率を高めるよりはやや積極的な姿勢となる。本レポートでは、「ファクターリターン分析」と呼ばれる手法を使い、過去の下落相場ではどのような銘柄が堅調だったのかなどをご紹介したい。

ファクターリターン分析とは

 「ファクターリターン分析」についてあまり馴染みのない方が多いかもしれない。ファクターリターン分析とは、簡単に言うとどのような要因で株価が変動しているのかを定量的に説明しようとするものだ。株式投資の際によく使われる指標として、例えば「時価総額」「予想PER」「PBR」「配当利回り」「売上高営業利益率」「自己資本比率」「自己資本利益率(ROE)」などがある。
ファクターリターン分析は、一定期間の銘柄群の値動きを分析し上記で挙げたような要因(ファクター)のなかでどの要因が銘柄間のリターン格差につながっているかを分析するものだ。この手法を使えば、「ROEの高い銘柄」と「営業利益率の高い銘柄」のどちらが市場平均に対して上昇しやすかったのか、などを比較することができる。1つ注意が必要なのは、ファクターリターンはあくまで「市場平均に対する相対リターン」を分析するものだということだ。ファクターリターンがプラスだからといって絶対リターンがプラスであるという意味ではないのでご注意いただきたい。
では実際に、過去に日経平均(市場全体)が下落した際のファクターリターンを見ていこう。以下の表1は、アベノミクス相場が本格的にスタートした2013年1月から2017年3月の51ヶ月の間に、日経平均の月次騰落率がマイナスだった22ヶ月について、主要項目のファクターリターンを示している。表の中で数値がプラス(背景が黄色)になっている箇所は、そのファクターが市場平均よりも高いリターンを得るために良く効いたということだ。(2017年3月であれば「予想売上高伸び率」や「実績ROE」の高さが市場平均と比べてより良いリターンを得るためのファクターになったということになる。)

表を見て顕著に表れているのが、日経平均が下落した月は「自己資本比率」がファクターとして効いていることが多い点だ。「自己資本比率」は日経平均が下落した22ヶ月のうち、17ヶ月でファクターリターンがプラスとなっている。
1つの仮説として、日経平均が下落するような市場が不安になっている局面では、安心感を求めて自己資本比率が高い=財務安全性が高い銘柄に資金が集まりやすいということが言えるかもしれない。続いてマネックス証券での各銘柄の「自己資本比率」の確認方法をご紹介しよう。
各銘柄の自己資本比率はマネックス証券のお客様に無料で提供している「スクリーニング」や「会社四季報」をご活用いただくのが便利だ。会社四季報の見方だが、マネックス証券で個別銘柄の画面を表示するとメニューの中に「会社四季報」がある。それをクリックすると「会社四季報」の「基礎/財務情報」というページが表示される。そのページの下部に総資産や自己資本などの財務情報が表示されその中に「自己資本比率」という項目がある。一般的に自己資本比率は40%~50%以上あれば比較的健全な財務体質であるとされることが多いようだ。

それではいよいよ「相場下落に強い銘柄」として自己資本比率が高く、過去の日経平均の下落時にも比較的堅調だった銘柄をご紹介しよう。

相場下落に強い銘柄は?

 具体的には、以下の条件で銘柄抽出を行った。
・東証1部上場銘柄(金融除く)
・2013年以降に日経平均が下落した22ヶ月の月末終値をすべて取得可能
・自己資本比率が50%以上
・日経平均が下落した22ヶ月においても月間騰落率がプラスの月が多い銘柄
 
表2をご覧いただくと、フジッコ(2908)は日経平均が下落した22ヶ月のうち16ヶ月で株価が上昇している。フジッコは昆布や煮豆といった惣菜を扱う食品会社で、内需ディフェンシブ銘柄として分類できる。さらに、安定して増収増益を達成してきたことが買い安心感につながりやすいのかもしれない。
また、ピーシーデポコーポレーション(7618)は22ヶ月のうち15ヶ月で上昇している。高齢者と高額なサポート契約を結んでいたとして批判された同社だが、業績は概ね堅調に推移してきた。
さらに、22ヶ月のうち14ヶ月で上昇していた銘柄が計16銘柄あった。システム開発のインフォメーション・ディベロプメント(4709)、工場や倉庫建築のナガワ(9663)、人材派遣のヒト・コミュニケーションズ(3654)、警備サービスのALSOK(2331)、土木建築の東鉄工業(1835)、人材紹介のジェイエイシーリクルートメント(2124)、掃除用品のレック(7874)など内需関連銘柄の堅調さが目立つ。日経平均が下落する局面には相対的に業績安心度の高い内需関連が買われやすい傾向が表れている。

内需関連銘柄に触れたので、ややレポートの本旨とはそれるが最後に内需株・外需株の簡単な判別方法をご紹介したい。内需株とは、主に日本国内でビジネスを展開しており売上の大部分を国内であげている銘柄を指す。反対に外需株とは海外事業がビジネスの柱となっており、海外事業への業績依存度が高い銘柄を指す。
一般的には内需株として建設・小売・通信・電力・食品・不動産・水産農林、サービスなどの業種に属する銘柄を指す場合が多いものの、前述の業種の中でも海外売上への依存度が高い銘柄もあり、判断に迷う場合がある。そんなときに有効なのが、会社四季報を活用する方法だ。
以下に示したのは、トヨタ自動車(7203)とKDDI(9433)の会社四季報の記載である。「連結事業」という欄をご覧いただくと、トヨタ自動車には「【海外】78<16・3>」との記載がある一方で、KDDIには記載がない。トヨタ自動車の場合には2016年3月期において、海外売上高の割合が78%あったことを意味している。トヨタ自動車は外需依存度高い外需銘柄ということになる。一方でKDDIには「【海外】」との記載はなく、内需株として分類できることになる。このように会社四季報の「連結事業」欄をご覧いただけば、海外売上高比率の高い「外需株」なのかそうではない「内需株」なのか簡単に判断することができる。ぜひご活用いただきたい。

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

12月号10月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で資産倍増計画![2018年版]】
1億円に早く近づく厳選56銘柄を公開
億超え投資家資産倍増の極意
・今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
プロが提言! 2018年に日本株を買うべき理由! 
・変化の追い風を先読み! 新デフレ&新興国株
・好業績&割安! 上方修正期待株&成長割安株
・第4次産業革命! 独自技術を持つ部品株
新iPhone上がる株 25
利回りが大幅アップ!「長期優遇あり」の優待株
・今買うべき新興国株投資信託ベスト25
ネット証券のサービスを徹底比較! 
・怖いのは死亡・入院だけじゃない!
「働けない」を 助ける保険! 
iDeCo個人型確定拠出年金老後貧乏脱出!

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! 新築マンションランキング