4月12日、中国人民銀行(中央銀行)は金利調整や規制監督の面で自らの裁量余地を巧みに駆使し、国内金融システムのリスク抑制を進めている。写真は中国人民銀行。北京で2014年4月撮影(2017年 ロイター/Petar Kujundzic)

[北京 12日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は金利調整や規制監督の面で自らの裁量余地を巧みに駆使し、国内金融システムのリスク抑制を進めている。より大きな狙いは、政治的に極めて重要な秋の共産党全国代表大会を前に、経済や社会の安定を確保することだ。複数の関係者が明らかにした。

 金利に関しては、変更する場合に国務院の承認が必要な政策金利の代わりに市場調節をより積極的に活用し、タイムリーで効果的な金利形成を目指す。一方、規制監督では銀行のリスク性資産の蓄積を点検・制限するための手法を強化し、他の当局との間に摩擦が起きないよう工夫している。

 中国は今、投機バブルやリスクの大きい融資を抑え込みながら、急激な金融引き締めで経済に打撃を与えるのは避ける必要があるという難しい時期に差し掛かっているが、人民銀はこうしたやり方を通じて対応能力を高めている形だ。

 ある政策アドバイザーは「中国は大きなシステミックリスクに直面しており、2017年はそれらのリスクを制御するための大事な年だ。人民銀は規制面の機能を拡張し、(リスク制御において)優越的な役割を背負いつつある」と指摘した。

 人民銀は1月に中期貸出ファシリティー(MLF)金利、2月に常設貸出ファシリティー(SLF)金利とリバースレポ金利をそれぞれ引き上げた。さらに3月16日には短期市場の金利を高めに誘導。エコノミストは、米国の利上げに対応して資金流出に歯止めをかけ、人民元の安定を図ったと受け止めた。

 今後も、小回りが利かずに多額の債務を抱えた企業セクターに悪影響を及ぼしかねない政策金利の引き上げを手控え、これらの市場金利を高めに誘導する公算が大きい、というのが何人かの政策アドバイザーの見立てだ。