健さんはそのことを踏まえた上で姉と話し合うことにしました。上記の裁判例を示した上で「遺産相続が終わってからじゃない。今すぐ出て行ってくれないか」と姉に頼みました。姉は裁判例から自分が住む権利は保証されていないと知り、多少は動揺して心を乱したのも束の間、得意の「駄々こね」で激しく抵抗してきたのです。

姉に実家から出て行くことを
承知させた弟の強い覚悟

 健さんは姉の暴力が原因で、お父さんが怪我をした件を問いただしました。当時、姉はお父さんを介抱せず出かけたので、怪我の具合を把握すらしてなかったので「そんなこと知らないわ!」と逆上してきました。しかし、私は姉が暴行の事実を認めないこと見越して、健さんに診察した整形外科で診断書をもらっておくよう頼んでおきました。

 健さんが診断書を提示したため、さすがの姉も暴行の事実を認めたものの「2年以上前のことなんだから、もう時効でしょ!昔のことを今さら蒸し返すなんて頭がおかしいんじゃないの!!」と難癖をつけてきました。これも想定内だったので、傷害罪の時効は事件発生から10年(刑法204条)だということを私はあらかじめ健さんに助言しておきました。

「家族なのに無下に事を荒げるなんて頭がおかしいじゃないの!どういう神経をしているの!?あんたこそ『身内の恥』だわ!!」と姉は健さんの人格否定に走りました。

「どうせ途中であきらめるに決まっているわ。本気じゃないでしょ」と姉は鼻で笑って事の重大さを軽んじているように健さんの目には映ってました。健さんは「誰に何と言われようと手を緩めるつもりはないよ」と前置きした上で「2週間以内に出て行ってくれないと警察署に被害届を提出することも検討しないといけないから」と警察を介入させることをも厭わない覚悟を示したのです。