2009年も終わりつつあるが、中国では「山寨機」と呼ばれるノンブランド携帯電話が昨年から変わらず好調だ。昨年は「今年のITワード」に「山寨機」が選ばれたが、今年もその勢いは止まらなさそうだ。

 ノンブランド携帯電話こと山寨機とは、小さな工場で半田ごて片手に電子工作のように部品をつけて作り上げた無保証・メーカー不詳・低価格な携帯電話のことである。

山寨機。あくまでこれは一例であり、多種多様だ

 まっとうなデザインのものもあるが、ノンブランドだけにiPhoneにそっくりなものなど意匠権を無視したデザインのものや、農村部の消費者に受け入れられる金色に輝くデザインのものなど様々なデザインの製品があるのが特徴だ。また外見ではないが、納税していないために安く作り上げているという点も特徴だ。

 中国政府は山寨機について全てを否定しているわけではなく、デザインの模倣には触れず、納税した企業による山寨機は“いい山寨機”、そうでない山寨機は“悪い山寨機”というスタンスを取っている。

 常に携帯電話を携える中国の都市住民にとっては、安いノンブランド品を持ち歩くなどメンツが許さない。そのため低価格も相まって、山寨機は主に貧しい農村部の人々および農村からの出稼ぎ労働者などに支持されている。

中国地方都市の青空市場で売られる山寨機

 大都市から省都クラスでは、大規模携帯電話ショップとは別に出稼ぎ労働者向けの山寨機市場が、都市の玄関口である駅や長距離バスターミナル周辺にあり、常に活況を呈している。値段は日本円にして5000円もあればお釣りがくるほど。たとえ中国でもメーカー製品には真似できる価格ではなく、中国メーカー(の携帯電話部門)は山寨機を相手に苦戦を強いられている。

 山寨機は、韓国メーカーのLSIが載ったものが2001年から登場していたが、価格はさほど安くないし性能もよくないと不評だった。しかし台湾のメディアテック社がLSIをリリースして以降、低価格とそこそこの品質により2007年末よりブレイクした。

 さてこの山寨機だが、果たしてどれほど普及しているのか。ノンブランドで非正規な製品だけに、これを扱う統計はないのだが、山寨機以外の統計からある程度類推することができる。