住宅ローンの選び方[2017年]
【第5回】 2017年4月19日公開(2017年4月20日更新)
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千日太郎 せんにち・たろう

関西地方在住のブロガー。昭和47年生まれという以外は、詳細を明らかにしていない。住宅ローン関連ブログで人気の高い「千日のブログ」「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」を運営しており、住宅ローン、不動産購入などについて、一般の人からの相談に無料で答えている。本業は企業財務コンサルのスペシャリストであるため、金融商品の分析力については定評がある。住宅ローン・不動産業界では働いていないので、利害関係はなく、誰にも気兼ねすることのない切れ味のある文章にはファンが多い。

住宅ローンの選び方[2017年]

千日太郎

まだ住宅ローンの借り換えができていない人に朗報!
北朝鮮問題で長期金利が下降し、5月がチャンス?
混雑を避けたいなら、今のうちに仮申し込みを!

ブロガーの千日太郎です。突然ですが、昨年、住宅ローンを借り換えようとしたがタイミングを逸してしまった、見逃してしまったという人に「朗報」をお伝えにやってきました。現在、長期金利が急激に下降しており、5月の住宅ローン金利が大きく低下する可能性が高くなっています。このチャンスを逃したくないという人は、早めに事前審査を申し込んでおくことをおすすめしますよ。

北朝鮮情勢の緊迫化で長期金利が0.011%まで下降

 住宅ローンの金利の指標となる新発10年物国債の長期金利が低下しています。14日午前は前日の0.04%前後で推移したが、午後に北朝鮮情勢の緊迫化が改めて意識されると大きく下げ、0.011%で取引を終了しました。

 事の発端は4月6日、シリアのアサド政権が化学兵器禁止条例に違反したことを理由にアメリカが空爆を開始しました。トランプ氏が攻撃開始命令を出したのは、フロリダ州の別荘に中国の習近平国家主席を招いての食事会の最後、『59発のミサイルを撃った』デザートを食べながら習近平氏にそのことを伝えたそうです。

 その後、アメリカの原子力空母カールビンソンを朝鮮半島の近海に派遣するという緊迫した状況の中で、4月15日には故・金日成主席の誕生日を控えており、北朝鮮がやぶれかぶれの挑発行動をとるじゃないか?というリスクが強く意識されたんです。

 これによって戦争不安に駆られた人たちが安全資産である国債に資金を移しました。債券価格が上がり、長期金利が下がったのです。

長期金利の低位安定は、住宅ローンの借り換えチャンス

 住宅ローンの金利は月の初めに発表された金利がその月を通じて適用されます。朝鮮半島の地政学的リスクが強く意識されている間は、長期金利は低位安定となります。国際情勢が心配な状況ではありますが、住宅ローンを借りている人にとっては借り換えのチャンスでもあります。

 ピンチとチャンスは背中合わせということです。

 借り換えまで約1カ月かかるとしても、今から仮審査に出せば5月の融資実行に間に合いそうですよね。ということは、5月の初めまで状況に劇的な改善が見られなければ、かなりの低金利が適用される可能性が高いということです。

 2016年は日銀のマイナス金利政策をきっかけとして長期金利がマイナスとなり、住宅ローンの金利が歴史的な低金利となりました。今の10年国債金利(長期金利)は0.011%ですから、昨年の一時的な現象であったマイナス金利とまではいかないまでも、今年に入ってからは一番の低金利です。2016年に借り換えのタイミングを逸して今を迎えている人にとって、再度借り換えのチャンスが巡ってきました。

 そこで今日は、5月の借り換えに向けて特に下がりそうな住宅ローンの金利タイプをご紹介したいと思います。

10年国債とフラット35の金利はほぼ連動する

 まずは、長期金利とほぼ連動すると言われるフラット35です。なぜ連動するのか?を説明します。

 通常のフラット35は、住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取るという形になっています。つまり住宅ローンの利用者が返済出来なくなっても、すでにその債権を国に買い取ってもらっているんですよ。

 そして、住宅金融支援機構はフラット35の貸付資金を、毎月発行する機構債で集めます。以下の図を見てください。

 機構債を買うのは主に保険会社や証券会社などの機関投資家です。彼らはこの機構債を国債に近い安全資産という考え方で購入します。先行きの不安が広がり、国債の価格が上がって金利が低い時は、フラット35の機構債の利率が低くても機関投資家が買ってくれるというわけです。

 そして、私たちが借りる時のフラット35の金利は以下の式で計算されます。

「フラット35金利」
  「機構債の表面利率」
 +「住宅金融支援機構のコスト」
 +「事務代行する民間銀行・金融機関の利益率」

さらに重要なことに、コストや利益率については、以下のことが言えます。

 ・住宅金融支援機構のコストは、半民半官の組織の人件費見合いですからほぼ一定
 ・取扱い銀行は事務代行するだけでリスクを負いませんから、その利益率もほぼ一定

 これは本当でしょうか。2017年の機構債表面利率とフラット35金利は以下のようになっています。

 2017年のフラット35金利と、機構債表面利率の推移
 月 フラット35
最低金利
機構債表面利率
(前月)
コスト・利益
の合計
 1月 1.12% 0.48% 0.64%
 2月 1.10% 0.46% 0.64%
 3月 1.12% 0.47% 0.65%
 4月 1.12% 0.46% 0.66%

 つまり、コスト、利益率はほぼ0.65%で一定なので、機構債の表面利率がほぼダイレクトにフラット35の金利に影響するということですね、誤差はわずか0.01%ほどです。

 まとめると、こうです。

 ステップ1:国債の金利(長期金利)が下がると、
 ステップ2:機構債の表面利率も連動して下がり、
 ステップ3:フラット35の金利も連動して下がる。

※4月20日加筆
本日、発表されたフラット35の機構債の表面利率は0.4%でした。
ということは、フラット35の最低金利(借入期間21年~35 年)については、1.06%~1.08%になるでしょう。

関連記事はこちら!⇒[「フラット35」を主要8銀行で徹底比較!]
関連記事はこちら!⇒[住宅ローン「実質金利」ランキング(35年固定)]

民間銀行の10年固定金利も下落に期待

 10年固定金利は、借入当初の10年の金利を固定しますがその期間が終わると、その時点の変動金利か固定金利かを再び選ぶ金利タイプです。予測困難な後半の期間の金利変動リスクを負うことになる金利タイプです。

 ただ、後半の期間の金利変動リスクを利用者が負っているとは言え、当初の固定期間について銀行は金利を変動させられない、という所がミソです。加えて、フラット35のように、利用者が返済出来なくなっても国が肩代わりしてくれる訳ではありません。

 なので銀行は、変動金利と固定金利を交換しても釣り合う金利で当初の固定期間の金利を決めているんです。この金利を円金利スワップレートと言います。

 円同士の金利を交換する金利という意味です。

 この円同士の金利スワップ(金利の交換)は日本の銀行や企業などが金利変動リスクを回避するためによく利用しています。

 例えば、こんな二人がいたとします。

 借りている人『期間10年で変動金利の0.1%で借りているけど、今後は金利が上がりそうだ。これから10年間金利を固定できるなら、0.27%だったら借り換えてもいいかな。』

 貸している人『期間10年で変動金利の0.1%で貸しているけど、今後は金利が上がりそうだ。もし、債務者が金利を固定したいといって来たら、利率を0.27%に上げないと割に合わないな。』

 この二人が出会ったら、金利の交換(スワップ)が成立します。つまり、10年固定金利の金利の決め方は、その時点での変動金利と固定金利の均衡するところの金利で決定されるというわけです。ということは?

 ・先行きが不安な時は、金利が低くても安全が欲しい。
 ・先行きが明るい時は、金利が高くないと割に合わない。

 円金利スワップレートは長期金利と似た動きになるんです。

 実際どうなのか?今年に入ってからの円金利スワップレート(10年)の推移と新発10年国債利回りを比べてみましょうか。

ほぼコピーしたかのごとく同じ動きをしていますよね! 円金利スワップレート(10年)は、4月12日に0.27%となり、年初来の安値に近付きました。つまり、国債の金利が大幅に下がっているということは、10年固定金利が大幅に下がるかもしれないということです。

関連記事はこちら!⇒[住宅ローン「実質金利」ランキング(10年固定)]

フラット35は国債とほぼ連動、10年固定は国債に引きずられる

 ・フラット35:国債とフラット35の金利はほぼ連動する。
 ・10年固定:国債の金利が大幅に下がると10年固定が大幅に下がるかもしれない。

 フラット35の金利は機関投資家が機構債を買う際の表面利率でほぼ自動的に決まるのですが、10年固定金利は銀行が金利を設定するというのが根本的な相違点です。

 ・フラット35の金利が「卸売り価格」なら、
 ・10年固定の金利は「小売価格」ということです。

 「小売価格」は市場の金利と全く違うとまでは言いませんけど、どの程度売値に反映させるかということは、売り手が決めるんです。つまり10年固定金利動向については各銀行の方針によって差が出てくるということです。

変動金利なのに、ほとんど「変動」しない

 何とも皮肉な話ですが、変動金利は、「変動」なのに変動しません。変動金利が下がらない理由は、銀行が下げないからです。何ともシンプルな理由なんですよ。千日は2008年11月に変動金利で住宅ローンを借りましたが、その時の金利水準から全くといっていいほど金利が下がっていません。

千日の借入金利の推移
 ・借り入れ当初の金利(変動金利、2008年11月当時)1.175%
 ・現在、適用されている金利(変動金利、2017年4月現在)0.975%
(参考)新たにその銀行で借りた場合の変動金利:0.625%

 民間銀行の間で資金を融通しあう金利を短期プライムレートと言い、変動金利はこの短期プライムレートに連動して金利を上下させることが出来る金利タイプです。民間の銀行は自分が借りる時の金利よりちょっと高く住宅ローンの金利を設定して、確実に利ザヤを得る(儲ける)ことが出来るようにしているんです。

 そしてこの短期プライムレートは日銀が民間銀行に融資するときの金利=政策金利の影響を強く受けます。この政策金利が2008年のリーマンショックの時に0.1%に下がって以降、ずっと変わっていないのです。

 政策金利が変動しなければ、短期プライムレートも変動しない。

 こういう理屈です。日銀は国債の大量購入に加えて、指値オペで市場の長期金利を操作する、イールドカーブコントロール政策で一定の手応えを感じていますので、今以上に政策金利を下げることは考えにくいです。

関連記事はこちら!⇒[2017年の住宅ローン金利動向はどうなる?銀行の競争激化しく、当面は底値圏内?]

来月の金利引き下げ?に備えて、今から動こう!

 ここまで書いたことは、あくまで千日個人による、現時点での予想です。もしかしたら大して下がらないかもしれません。

 でも、仮に5月に金利が発表されて、ニュースになるほど劇的に下がったとします。多くの人がこぞって、借り換えの審査に出しますよね。そうなると、銀行の審査事務が許容数を超えてしまい融資実行までに2カ月超かかってしまうこともあります。実際去年、三井住友信託銀行の10年固定金利が史上最低金利の0.35%を記録したときは2カ月待ちでした。

 それで千日は借り換えのタイミングを逸してしまったんです(苦笑)。というわけで、実は千日も既にある銀行にwebの事前審査を出しました。

 民間の銀行については月末に金利が決まりますので、どこが下がりそうか? というのは断言できませんので、ここでは書きませんが、4月の時点でザイ・オンラインの住宅ローン実質金利ランキング上位の銀行は要チェックですね。気になったところには今から仮申し込みをしておくのが得策かもしれません。

関連記事はこちら!⇒[住宅ローン「実質金利」ランキング(10年固定)]
関連記事はこちら!⇒[住宅ローン「実質金利」ランキング(35年固定)]

 最新の金利の予想については、千日のブログでも行っていますので、たまにのぞいてみてくださいね。ただ、将来の予測について必ずそうなるという保証は出来ません。ここに書いていることも千日のブログに書いていることも、執筆時点で公表されている情報に基づいて千日個人が予測したことです。

 実際の金利の動きはここに書いていることと違ってくることは大いにあり得ます。用法・用量を守ってご利用くださいね。

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※借入金額3000万円、借り入れ期間35年(詳細な条件は表組の下に記載)
順位
銀行名 <商品名>
実質金利
(費用等含む)
表面金利
(費用等除く)
保証料
(税込)
事務手数料
(税込)
1位
◆楽天銀行 <変動金利(固定特約付き) 変動金利>
0.571%
0.507%
0円
32.4万円
【楽天銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
事務手数料は一律32万4000円と定額であるため、他行に比べて比較的割安だ。金利についても、最優遇金利が適用されればトップクラスの低さとなり、実質金利で見ても競争力が高い。注文住宅で必要となる「つなぎローン」も別途、用意している。
2位
◆住信SBIネット銀行 <通期引下げプラン 頭金20%以上 変動金利>
0.626%
0.497%
0円
借入額×2.16%
【住信SBIネット銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三井住友信託銀行とSBIホールディングスが設立したネット銀行で、変動金利の低さではトップクラス。通常の団信に加えて、「8疾病保障」を無料で付帯しているので、おとくな商品と言える。女性には、がんと診断されると30万円が支給される保障も無料で付けている。住信SBIネット銀行には、「当初引き下げプラン」もあるが、変動金利を借りるなら「通期引下げプラン」を選ぼう。
【関連記事】[住信SBIネット銀行の住宅ローンの金利・手数料は?] 変動金利・固定金利ともに低い金利水準!保証料や繰上返済だけでなく、8疾病保障も無料
住信SBIネット銀行の住宅ローンの公式サイトはこちら
2位
◆じぶん銀行 <全期間引下げプラン 変動金利>
0.626%
0.497%
0円
借入額×2.16%
【じぶん銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
三菱東京UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行。変動金利の競争力が高く、業界トップクラスの低金利となっている。がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料付帯。ネットだけで契約を完了でき、仮審査は最短即日回答、契約は最短10日とい短期間での契約が可能だ。
【関連記事】[じぶん銀行の住宅ローンの金利・手数料は?] 変動金利は業界トップクラスの低金利!がんになると住宅ローンが半減する団信が無料
じぶん銀行の住宅ローンの公式サイトはこちら
2位
◆au住宅ローン <KDDI 全期間引下げプラン 変動金利>
0.626%
0.497%
0円
借入額×2.16%
【au住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
携帯電話のauユーザーが、じぶん銀行が提供する「au住宅ローン」を借りると、毎月500円分キャッシュバック(チャージ)されるという特典が付いている。特典は最大3万円分(5年間)受け取れる。じぶん銀行の住宅ローンは変動金利の競争力があり、トップクラスの低金利だ。また、がんと診断されると住宅ローン残高が50%になる疾病保障「がん50%保障団信」が無料で付いているので安心感が高い。KDDIがじぶん銀行の代理店となり販売している。
じぶん銀行の住宅ローンの公式サイトはこちら
2位
◆SBIマネープラザ <MR.住宅ローンREAL 頭金20%以上 変動金利>
0.626%
0.497%
0円
借入額×2.16%
SBIマネープラザの住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
SBIマネープラザは、証券、保険、住宅ローンなどを取り扱う、SBIグループのマネー相談プラ ザ。「MR.住宅ローンREAL」は住信SBIネット銀行の商品で、銀行代理店業者として販売する。変動金利は低金利で競争力があり、8疾病保障も無料で 付帯する。SBIマネープラザの支店で相談する、対面用の商品。
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2位
◆アルヒ <MR.住宅ローンREAL 頭金20%以上 変動金利>
0.626%
0.497%
0円
借入額×2.16%
【アルヒ(ARUHI)の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
SBIモーゲージから社名変更した住宅ローン専門の金融機関。「MR.住宅ローンREAL」は住信SBIネット銀行の商品で、アルヒが住信SBIネット銀行の銀行代理業者として販売する。アルヒ直営店で相談できる、対面用の商品だ。変動金利は低金利で競争力があり、8疾病保障も無料で付帯する
7位
ソニー銀行 <変動セレクト 頭金10%以上 変動金利>
0.628%
0.499%
0円
借入額×2.16%
【ソニー銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
外貨預金などで有名なソニーグループの銀行。「変動セレクトローン」は変動金利向けの商品で、手数料は借入額の2.16%かかるものの、表面金利が低いので、実質金利でも競争力がある。新規借入で頭金が10%以上あれば、借り換えよりも低い金利が適用される。
【関連記事】[ソニー銀行の住宅ローンの金利・手数料は?]業界トップクラスの低金利や安い諸経費が人気!来店不要で迅速な対応が売りで、対面相談も可能!
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8位
イオン銀行 <金利プラン(定率型) 変動金利>
0.699%
0.570%
0円
借入額×2.16%
【イオン銀行の住宅ローンのメリット・おすすめポイント】
イオングループの銀行で、イオンでの買い物が5年間、5%オフになる(買い物額で年間90万円まで)ので、合計で最大22.5万円分のメリットがある。また、売買契約金額・工事請負契約金額の105%まで借りられるので、諸経費や中古住宅のリフォーム費用も住宅ローンと一緒に、低い金利で借りられる。セカンドハウスローンも用意している。
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