4月10日、干ばつに襲われたソマリア南部の村で、アブディル・フセインさんが家族を飢餓から救うために残された最後のチャンスは、14歳の娘ゼイナブさん(写真)の美貌だった。4日、ソマリアのドーロで撮影(2017年 ロイター/Zohra Bensemra)

[ドーロ(ソマリア) 10日 ロイター] - 乾ききった低木地の広がるソマリア南部の村では、井戸が涸れ、家畜が死んでいった。そんな苦しい状況下で、アブディル・フセインさんが家族を飢餓から救うために残された最後のチャンスは、14歳の娘ゼイナブさんの美貌だった。

 年配の男性が昨年、ゼイナブさんとの結婚支度金として1000ドル(約110万円)を渡すと申し出た。エチオピア国境に近いドーロの街に親族もろとも引っ越すには十分な金額だ。ドーロでは、国際支援機関が壊滅的な干ばつから逃れてきた各世帯に食料と水を供給している。

 だが、ゼイナブさんは結婚を拒んだ。

「死んだ方がまし。茂みに駆け込んでライオンに食べられた方がまだいい」と黒い瞳を持つ細身の少女は、高く柔らかい声で語った。

「そうすれば、私たちはここに留まって餓死し、動物たちに骨まで食い尽くされることになる」と彼女の母親は言い返した。

 10代の少女とその母親が交わした会話は、2年に及ぶ干ばつを経て、ソマリアの家族たちが突きつけられている典型的な選択だ。「アフリカの角」に位置するソマリア全域で、作物は枯れ、白骨化した家畜の死体が散乱している。

 この災害は、アフリカから中東にわたって2000万人の住民を脅かしている飢餓と暴力の一部にすぎない。