有隣堂ルミネ横浜店　上坂幸子さん（後編）
初恋のビジネス書は、
カーネギーの『人を動かす』。

「ありがとう」って言われると
ハッとさせられます

――そうやって大量に注文したものが売れると嬉しいんじゃないですか？

上坂　そうですね、書店で働いていつ一番やりがいのある瞬間かもしれないです。それと手書きのPOPをつけたものが売れるときも。

　でも、もっと単純に接客していたお客様から笑顔のお返しがあると、それだけで嬉しくなれますね。この仕事していてよかったなって。

　たまにレジでお買い上げされたお客様から「ありがとう」って言われることがあるんです。普通、私も買物するときって、ボーっと商品をレジにもっていってお金渡してお釣りを受けとるだけなんです。でもお客様から「ありがとう」って言われるとハッとしてしまいます。こうやって相手のことを思いやれる方がいらっしゃるんですね。仕事をしているこちら側は、とても嬉しい瞬間です。ですから、私もお店なんかで「ありがとう」って言うように心掛けているんですけどね。

――言われてみると僕も「ありがとう」って言ってませんでした（汗）。

上坂　私もそうです。そもそも店員さんの顔も見ていないでレジに立っていることも多いかもしれないです。そんなとき、ぱっと顔を上げたときに店員さんお笑顔があったりすると、「まずい！」って自分で気がつくことが多いんです（笑）。だからそういうことに気がついてから、私も店員さんに「ありがとう」って言うように心掛けるようになりました。

＊インタビュー後は、同行した営業担当者と食事を取りにレストランへ。ふたりして店員さんに「ありがとう」といいながら注文していました（笑）。本を売る工夫の数々から、最後はあるべき「人との接し方」まで教えていただいました。お忙しいなか、ありがとうございました。