空室対策として始めた
Airbnb(エアビーエヌビー)

 私のストック収入の中でも、旅行者向け空き部屋紹介サービスの「Airbnb(エアビーエヌビー)」を使っての事業は、これらの仕組みが広まる前に始めたこともあり、安定した収入となっています。Airbnbとは、今や「民泊」の代名詞にもなっていますが、主に旅行者向けに部屋を短期で貸し出すサイトのことで、日本はもちろん世界でも展開しています(https://www.airbnb.jp/)。

 ホスト側は、マンションや、一軒家など貸し出したい部屋をサイトに掲載、そして借りたい人はそのサイトを通じて申し込み、お金を支払います。ホスト側は、サイト側の手数料を引かれた金額を手にすることができるという仕組みです。

 最初にAirbnbを知ったのは、2014年、パリに旅行に行った時でした。
 旅行を計画している時に、パリのホテルが非常に高く、また予約もなかなか取れないということを知りました。そんな時に外資系の外国人の同僚に「Airbnbを使うといいよ」と教えてもらいました。

 当時、日本には未上陸で、知っている人もほとんどいなかった時のことです。面白そうだと思い、全日程のなかでホテル半分・Airbnb半分で予定を組みました。そして実際に泊まってみるとビックリ。ホテルの半額で、ホテルの倍以上の広さの部屋に泊まれてしまうのです。

 しかも、ホテルにはないキッチンや洗濯機もついていて、長期の旅行にはとても使いやすい。私が泊まる時には部屋のホスト(部屋を提供している人)から直接鍵を受け取ったのですが、ついでに周辺の観光案内をしてくれたり美味しいお店を紹介してくれたりと、とても親切にしてもらいました。
 安くて便利で、しかも楽しい。これは絶対に日本でも流行るなと思いました。

日本の地方都市でも
利用する観光客はいた

 日本に帰ってきてから、さっそく私もAirbnbを始めることにしました。
 不動産投資用に購入した北陸地方の一棟マンションで空室が出て、なかなか入居者がつかなかったので、試しにその部屋で運用することにしたのです。

 当時Airbnbの知名度はなく、今のようにネットに情報がたくさん載っているわけではありません。私は家具を設置したり、鍵を暗証番号で開ける電子ロックに交換したりと、自分なりに考えつつ部屋をセッティングしました。

 次に、利用された部屋を掃除してくれる人を探さなければなりませんでしたが、今のように専門の業者はありませんでした。地元のシルバー人材センターの方に相談し、かなり安くやってもらえることになりました。

 有名な観光地でもない地方都市に、外国人観光客が来るのかという不安はありましたが、実際にオープンしてみるとかなり好評ですぐに予約が入り始めました。

 実は北陸地方は東海地方などとともに、中国系観光客に「昇り龍ルート」という縁起がいい観光ルートとして人気があるのです。また周辺にほかのAirbnbの部屋がないというのも好条件でした。

 そして、普通に貸し出したら家賃5万円程度しか取れない部屋が、その3倍以上稼いでくれるようになったのです。平均的な稼働率は8割ほどです。

 予約対応や問い合わせ対応などの手間はかかりますが、ほとんどが同じような質問なので、定型文を作成してコピー&ペーストで対応しています。外国人の場合、英語だけでなく中国語でも問い合わせが来ますが、すべて英語で返答しても問題なくコミュニケーションできますし、日々の掃除やゴミ出しなどはすべて人に任せているので、東京に住みながら現地に行くことなく運営できています。

 今ではAirbnbの運営も外注しつつあるので手間もかからず非常に投資効果の高いストック収入となっています。

生形大(うぶかた・だい)
1977年8月生まれ 富山県富山市出身。横浜国立大学工学部建築学科卒 横浜国立大学大学院修了。外資系証券(バークレイズ証券・JPモルガン証券)出身の投資家。現在、国内12棟189戸、海外3戸、都内の戸建て・区分マンション4戸の不動産を所有。不動産以外にも株・FX・先物・オプション取引・オフショアファンドなどあらゆる金融商品に精通。現在は資産運用の専門家として独立し、成功者続出の投資家を養成するスクールの運営、不動産投資セミナーの人気講師として、経済的、時間的な自由を志すサラリーマンに指導を行っている。主な出演メディアにサタデープラス(TBS系列)。主な著書に『年収1億円を生み出す[ハイブリッド]不動産投資』(ぱる出版)がある。