そのために必要なのはサーベイ(調査)です。社会が何をしたいのか、コンテクスト(文脈)が何なのかというサイクルが重要で、それをどうやって実現するかを常に調べる習慣が大事だと考えています。意外と皆、やっていないと思いますね。

 だからよくツイッターを見ています。毒ガスを敏感に察知する、“炭鉱のカナリア”っているじゃないですか。異変に気付くと様子が変わると思うんですが、(フォロワーとして)飼っているカナリアたちがわさわさし始めたら、「何か動いているぞ」と流れを捉えようとしますね。そういうカナリアを大量に飼っておいた方がいい。トイレ入る時とか、電車やタクシーに乗る時とか、論文が書けない時とかにチラッと見ますね。関心を「アンテナ化」するというか、知的好奇心があって、面白いものを「面白い」と言う人をフォローしておいた方がいい。

――食べ物ではグミが好きだそうですね。

 常備しています。特につぶグミが好きですね。食事について言えば、近代の人類のご飯事情は難しいですよね。人類ってたぶん20世紀の百年間にだいぶ間違えたことをしまくっていて、例えば昔は少しのアルコールならむしろ健康にいいとか言っていたのが、最近のリサーチでは一滴でも健康によくないとの結果も出てきているんですよ。このままいくと言説が覆されてきて、禁酒法が復活してもおかしくない。砂糖も人類が摂り始めた当初は、体にわるいことを誰も気づいていなかったですからね。これから寿命100年時代を迎えた時に「当時は気づいてなかったけど悪影響が顕在化した」みたいなことになっていそう。

――もし10歳の子供がいたら、何をさせてあげたいですか。

 すごく大きな問題だと思っているのは、資本格差ではなく文化格差なんですよ。本が一冊もない家がある一方で、千冊置いている家もある。それが同じクラス内の子供同士にあり得るから、隣のクラスメートと普通に考えて1000倍ほどの文化格差が生じかねない。でも、同じ教室の中で1000倍の資本格差はめったにない。だから、僕の知っている各方面のプロと会わせたら、それでいいと思っていますね。