一方、前述した北九州市は定期便の就航にこぎつけたが、その裏には国際線の路線誘致のための営業努力があった。同市の資料によれば、16年度、同市港湾空港局が確保した予算は6億5000万円超であり、これを航空会社への運航経費の一部助成に当てたり、国際チャーター便への助成に当てたりした。国際路線の維持・拡充のための、航空会社へのインセンティブもこの予算に含まれている。

 茨城空港は、中国からのLCC「春秋航空」が、初の国際線進出先として選んだ空港だ。10年7月から茨城-上海線の運航を開始し、当時はメディアでも連日、大々的に報道された。

 春秋航空は、中国国内で「上海-成都99元(日本円で1600円ほど)」などと打ち出し、度肝を抜くような料金設定で利用客を急増させた航空会社だ。

 こうした伸び盛りのLCCを中国から誘致することは、地方の活性化にもつながる。日本への乗り入れは大阪、札幌、佐賀、広島に広がっており、LCCの就航はインバウンドの地方間競争においても、ひとつの差別化を意味していた。

 しかし、「誘致にも助成金を充てているのが実情」と某自治体職員が語るように、中国からの路線の就航は、基本的に自治体の営業活動に支えられている。

東京~茨城間が500円!
格安バスまで出して搭乗率維持

 ひとたび路線が開通しても、それを維持するのは容易でないことは前述のとおり。「首都圏の第3の空港」として開業を始めた茨城空港も、現在同じ課題に直面している。

 そんな茨城空港が展開する“搭乗率維持作戦”は、東京駅から茨城空港まで片道500円で行ける直行連絡バス。航空機利用者に限定されているが、「東京からワンコインで空港までアクセスできる」というのが売りなのだ。

 東京駅から茨城空港まで、鉄道で行けば2110円(東京駅から上野駅に移動し常磐線利用)、特急ひたちなら3110円だ。また、東京駅から成田空港までリムジンバスなら3100円、成田エクスプレスなら3020円かかるし、東京駅から羽田空港までもJR山手線とモノレールを乗り継いで650円はかかることを考えれば、いかに破格の料金設定であるかが分かるだろう。

 なぜ、そんな破格の「ワンコインバス」が実現したのだろうか。それはほかでもない、茨城県が差額分を助成しているためである。それだけではない。LCCの就航路線を維持するために、例えば運航経費の助成や、着陸料の支援などにも助成金が使われていることは、世間にはあまり知られていない。