では、飲酒率はどうか。ある調査から数字を引用すると、「日ごろお酒を飲む」と答えた人は男性で7割、女性は4割程度らしい。30年前のタバコと結構状況は似ているのだ。

 30年前の日本では禁煙席は結構珍しかった。新幹線でも飛行機でも、中で自由にタバコは吸えた。さすがに混雑した山手線の満員電車でタバコを吸う人はいなかったかもしれないが、タバコがそこまで悪いと言う社会常識は当時はなかったので、喫煙者にはとても自由な状況だったのだ。それが規制や条例ができて、あっという間に現在のような状態に愛煙家は追い込まれていった。

最後に残った規制対象は飲酒
あながちあり得ないとは言えない

 こういう比較をすると怒られるかもしれないが、迷惑防止条例や淫行を禁止する条例が増えたおかげで、性犯罪もかなり減った。何を言いたいかというと、条例には社会を変える強い力があるということだ。その流れでタバコ、性犯罪ときて、最後に残っているのが飲酒という見方もできる。

 日本は飲酒による迷惑に対して、社会的にも法律的にも寛容な文化が残っている。しらふだと訴追されるような暴力犯罪でも、深酒で酩酊状態の人が起こした場合は不起訴になったりする。それと比較すれば、欧米では酩酊して他人に迷惑をかける人は、その時点でアウトだ。

 その基準で言えば、日本のように酔っぱらったサラリーマンが帰宅の電車に乗り込んでくるのも、今は当然の行為だが、いずれ規制される世の中になってもおかしくはない。公共の場所において「酒気帯びはセーフでも酔っ払いはアウト」という欧米流の考え方が社会常識になれば、あながち「そんなのはおかしな規制だ」とも言い切れないのだ。

 そう考えると「飲み放題がなくなる」といったレベルの不安はまだ入り口で、もう少し先まで踏み込んだ規制が進むことを覚悟しておいたほうがいいかもしれない。