4月18日、トランプ米大統領(写真)は、米国製品の購入や米国民の雇用を促す大統領令に署名したが、米鉄鋼業界では早くもその実効性に懐疑的な見方が広がっている。ウィスコンシン州で撮影(2017年 ロイター/Kevin Lamarque)

[デトロイト/ニューヨーク 18日 ロイター] - トランプ米大統領は18日、米国製品の購入や米国民の雇用を促す大統領令に署名した。しかし、米鉄鋼業界では早くもその実効性に懐疑的な見方が広がっている。

 連邦政府に米国産品の調達を求める「バイ・アメリカン法」は既にに存在するが、海外企業に免責が認められているため執行が困難だった。大統領令はこの法律を厳格に適用し、特に鉄鋼業界などに実際に恩恵をもたらしているかどうかを見極めるよう指示しているが、具体的な方法には触れていない。

「米国製品を買おう」という議論は何十年も前から聞かされて耳にたこができたと話すのは、製鉄所を運営するレイパム・ヒッキー・スチール(シカゴ)のビル・ヒッキー社長。「政治家は誰も同じことを言うが、結局うまくいかない」と語り、米国企業も外国の請負業者も抜け穴を利用して頻繁に輸入鉄鋼を購入していると説明した。

 ブラッドフォード・リサーチのチャールズ・ブラッドフォード氏によると、ブリキや半製品など一部の鉄鋼製品が米国で作られていないことを「バイ・アメリカン」法は考慮に入れておらず、厳格に適用すれば国内の供給に支障が生じる。「この法律を推し進めた人々は現実がさっぱり分かっていない」という。

 米国は今年第1四半期に鉄鋼製品の25%を輸入している。

 全米建設業協会(AGC)の首席エコノミスト、ケネス・サイモンソン氏によると、米国製の鉄鋼を厳しく定義し過ぎることには、建設業界でも懸念が広がっている。同氏は、例えば輸入された可能性のあるスクラップ金属を溶かして製造された鉄鋼製品などは出所を追跡しにくいと説明した。