[東京 20日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>子会社で「三菱リージョナルジェット(MRJ)」を開発している三菱航空機の水谷久和社長はロイターの取材に対し、2020年半ばまでに量産初号機を顧客に納入するという開発スケジュールを「いかに実現させるかが重要なミッション(使命)」と述べ、納期を「きっちり守る」体制固めに尽力するとの意向を示した。

水谷氏は三菱重工の常務執行役員から三菱航空機社長に4月1日付で就任したばかり。三菱重工では防衛・宇宙事業を率いていた。MRJは約半世紀ぶりとなる国産ジェット旅客機で、知見が少ないことから開発作業は難航。1月には量産初号機納入の5度目となる延期を余儀なくされ、体制立て直しに向け、水谷氏に白羽の矢が立った。

水谷社長は、1月の納入延期の発表以降、作業は「スケジュールに沿った進捗をしていると思う」と話し、外国人技術者を積極的に活用する体制が「うまく回り始めている」と話した。三菱航空機は、遅れの理由となっている知見不足を補うため、民間機製造の経験が豊かな外国人技術者の雇用を増やしており、現在は日米両拠点で300人規模の外国人技術者が従事している。

営業部隊は1月の延期発表後も「これまでのお客様とのコンタクトを取り、個別の対応をさせてもらっている」とし、現時点では受注のキャンセルは「出ていない」とした。一方、新規の受注までには至っていないが、「新しい引き合い、話もそれなりに来ている」という。

ただ、「今回のスケジュールの見直しは(受注に)影響していると思う」とも語り、これまでとは「話の進み方や煮詰まり方はおのずと違う部分が出てくる」と述べた。その上で、顧客側が納入したい時期の1―2年前くらいのタイミングなど「比較的(納入の)直近で具体的な話を進められることが多いようだ」とし、情報交換は密にしながらも商談のペースが緩やかであることを示唆した。

現時点で正式契約に至った累計受注数は427機(このうち確定は233機)となっている。

(白木真紀)