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SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術
【第14回】 2017年4月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
ショーン・スティーブンソン(著),花塚 恵(訳)

慢性的な睡眠不足の人は太りやすい

全米で話題沸騰中の21の睡眠メソッドを集約した、『SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術』。本連載では同書の中心的なメソッドを紹介していきます。食事、ベッド、寝る姿勢、パジャマ――。どんな疲れも超回復し、脳のパフォーマンスを最大化する「睡眠の技術」に注目です!

睡眠不足が肥満の原因になる?

太りすぎや肥満は、睡眠障害などの問題を引き起こす。その一方で、睡眠に問題があるせいで肥満を招くこともある。

スタンフォード大学が、寝不足になると体内のレプチンが大幅に減少するという調査結果を発表した。レプチンは満腹を教えてくれるホルモンだと言われている。食欲を制御するという重要な役割を担っているからだ。食べるべきでないとわかっていても、疲れているときや寝不足のときは誘惑に負けやすい。

肉体的にも精神的にも疲れていると、脳はすべての機能を基準値に保とうとして、追加のカロリーを探し始める。

素早く手軽にカロリーを吸収できるのは、ポテトチップスやクッキー、アイスクリームといった子どもが喜ぶ食べものだと脳は知っていて、なぜか突然そうした食べものの誘惑に抵抗できなくなる。こうなるともう、意志の問題ではない。人間の生存本能の問題であり、話はさらにややこしくなっていく。

睡眠不足になると、脳の「優先順位づけ」の機能が低下し、人間の脳にいちばん古くから備わっている部位が過剰に反応するという。カリフォルニア大学バークレー校で撮影された脳画像スキャンから、睡眠不足のときは扁桃体の活動が活発になることが明らかになった。

扁桃体は食欲をつかさどる部位だ。感情の影響を受けやすく敏感で、生存を何よりも優先する。この部位が活発に動くと、疲れてお腹が空いた状態になる。そのせいか、脳画像をスキャンされた被験者は、身体のためとは言えない食べものを好んで選んだ。

扁桃体の活動が活発になる反面、前頭皮質と島皮質の活動は抑制される。この二つは、進化、自制、合理的な意思決定に関係が深い部位だ。睡眠不足によってこうした変化が起これば、その先には確実に苦労と失敗が待ち受ける。

それは、意志の力ではどうにもならない。優秀で意志が強いのにダイエットに失敗する人が大勢いるのは、無意識のうちに意志に抗う状態に身体がとらわれているからだ。睡眠不足になると、あなたの内に潜む超人ハルクに脳をのっとられてしまい、絶対にしないと自分に誓ったことへの誘惑に抗えなくなる。

疲れてお腹が空いた状態の人には、自分が食われたいなら別だが、決して近づかないほうがいい。
過去のダイエットの失敗は、本当に自分自身のせいなのか? 自分に言い訳を許さない限り、本当の意味で失敗したとは言えない。仮に自分のせいで失敗したとしても、脳をのっとられたことに気づいていなかったのなら仕方がない。とはいえ、身体にどのような変化が起こるかがわかったのだから、今後は自分が望む状態になることを意識的に行って、二度と失敗しないようにしてほしい。

シカゴ大学医学部教授のイヴ・ヴァン・カウターは、睡眠不足のことを「肥満の生みの親」と呼ぶ。睡眠不足になると、インスリン感受性の低下、ホルモンサイクルの乱れ、脳の機能の低下が起こることを思えば、彼女の意見は100パーセント正しいと言える。

これからは、どんな言い訳も許さずに、身体が求めている睡眠をしっかりととろう。そうすれば、今度こそ本当に痩せて、本来あるべき体型と健康が手に入る。

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