経営×物流

いまここにある”宅配危機”の裏側~トラック業界の「働き方改革」の現実味

カーゴニュース記者座談会【2】

このままでは人が来ない…
トラック業界の実情

石井国交大臣(左)に要望を伝える全ト協の坂本副会長

A 3月28日に政府の「働き方改革実現会議」が実行計画をまとめ、運送業と建設業にも時間外労働について罰則付きの上限規制が導入されることが決まった。これまでトラックドライバーは適用除外で、時間外労働については事実上の”青天井”だった状況からすれば、大きな改革だと言える。

 今後さらに労働力不足が深刻になっていく中で、「選ばれる業界」になるためには、少なくとも他業界と同じスタート地点に立たない限り、ますますトラックドライバーという職業が敬遠されてしまう。猶予期間は当然必要になるが、適用除外にならなかったことは正しい判断だったと思う。

B 3月23日に全日本トラック協会が国土交通省に対して要望書を提出した。その内容は、上限規制の導入は受け入れるものの、適用には相当の猶予期間を設けた上で、段階的な導入にしてほしいということだった。

 今回の実行計画には、結果的にトラック業界の要望が相当程度反映されている。全ト協の坂本副会長は「猶予期間は何年くらい?」との質問に対し、「できるだけ長く」と答えていたが、結果的に法施行後5年間の猶予が設けられることになった。

E 実行計画では、他業種の上限が年間720時間(月平均60時間)とされる中、運送業の上限は、それより緩やかな年間960時間(月平均80時間)とされた。数字的な実態をいえば、現在の改善基準告示で認められている時間外労働は年間1171時間(月平均97時間)。しかし、その97時間でさえ守れていないのが現状であり、月80時間ですら高いハードルであることに変わりはない。
 
A 実行計画では、適用に向けて関係省庁が荷主の協力確保に取り組むことが不可欠だと強調されている。

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