大切なのは、もっともっと普通に会社で働いている人がこうした挑戦をできるようにしていくことです。政治に関わる人の裾野がもっと拡がれば、政治が身近になって、おかしなことが減っていくと。『希望の塾』は、政治に関わりのなかった人達にその門戸を大きく開きました。その中から、私のような普通の会社員が、女性が挑戦していくことがシンボルになると思っています。

――大手広告代理店といえば、電通による長時間労働の事件もあり、世間では広告代理店=非人道的な働き方というイメージも流布しているようにも思います。日本人の働き方改革についてどうお考えですか。

 まず、すべての広告代理店の業務が激務というわけではないです。部署や時期にもよりますし。若い頃はかなりの残業量でしたが、最近はプロジェクトリーダーとして、比較的時間はコントロールできています。いずれにせよ、ウチは割とホワイトだったと思います。

 働き方改革こそ、私が重要課題と考えている一つです。女性が働きにくいのは、無制限に残業可能な企業戦士の働き方がスタンダードだ、という古い観念がまだまだ残っているから。最近のパパ世代には子育てに参加したい人も多い。制度としては男性も育児休業が取れるのに、実際取得しているのはたった4%に過ぎません。それはなぜか?「休んでいるやつは許さない」「休んだから出世は遅れて当然」など、「子育てや介護」はもちろん「自己成長への投資」などの"事情"のある人の働き方を容認しないから。「お互い様」で許し合えれば、みんなが楽になれる。ここを変えることは、女性だけでなく、男性にとって、日本人みんなにとって必要です。

――ちなみに、ハイエクという哲学者は、政治が『広告主義』と『商業主義』に陥ることを強く批判しています。政治家が選挙活動や献金をくれる団体への代弁者になってしまうことへの批判だと思いますが、広告代理店出身、民間出身者としてどう思いますか。

 広告に対する誤解もあるかと思います。広告というのはウソをついちゃいけないものです。あくまでも事実を基に、クライアントさんの強みや魅力を最大限に生かしていくことが仕事の基本です。また、団体の代弁者とならない、そういった古い政治に三行半をつきつける「都民ファーストの会」から立つことに、意味があるのです。組織のない私が、選挙という未知の世界に挑むのは本当に大変ですが、東京大改革、小池百合子という歴史上初めての「しがらみのない東京都知事」だからこそできる。そう信じて挑んでいます。