4月21日、英国の総選挙は、欧州連合(EU)離脱決定後のポンド安を背景に英国株に資金を投じてきた海外投資家に大きな動揺をもたらしていない。写真はロンドンで昨年10月撮影(2017年 ロイター/Neil Hall)

[ロンドン 21日 ロイター] - 英国の総選挙は、欧州連合(EU)離脱決定後のポンド安を背景に英国株に資金を投じてきた海外投資家に大きな動揺をもたらしていない。

 トムソン・ロイター・リッパーのデータによると、昨年英中心の海外ファンドから流出した資金は、3月末時点で半分以上戻っている。ポンド相場の安定、企業の利益見通し、商品関連と金融中心の世界的株高が投資家を英国株に呼び戻す状況となっている。

 6月8日の総選挙実施発表に驚きはあったものの、米国、アジア、スイスの投資家には大きなリスクと認識されていない。

 むしろ投資家は、EU離脱交渉の長期化、国内の経済状況やインフレ高進下での消費支出、トランプ米大統領の政策を警戒しており、これが英国内重視の中小企業より世界的大企業の選好につながっている。

 米国のキー・プライベート・バンクの首席投資ストラテジスト、ブルース・マケイン氏は「これまでの英国のEU離脱問題への対応を評価している。離脱交渉に向け国内の政治基盤固めで総選挙に打って出たことは、メイ首相を巡る状況がかなり良いことを示唆している」と述べた。

 総選挙実施の発表後にポンドは上昇。その後も選挙で国内政治が安定することへの期待で上値を伸ばす展開となった。

 これに対し株式市場はFTSE100種指数を中心に下落。同指数は資源株や銀行株の比重が大きく、海外での売り上げがポンド安の影響を受けやすい多国籍企業を中心に構成されている。これらの企業は、ポンド安と世界的なリフレ取引の恩恵を受け、先月最高値を更新した。

 ただ、英国を読み解く鍵として注目されているのは、国内重視の中小企業の株価の動き。英経済の成長が鈍化すれば、これら企業への投資意欲は後退する可能性がある。