4月23日、英国と米国を昨年襲ったポピュリズム(大衆迎合主義)の津波は、フランスの海岸で消滅したのかもしれない。写真は、同日のフランス大統領選第1回投票で、決選投票に進むことになった中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相(写真)。パリで撮影(2017年 ロイター/Benoit Tessier)

[パリ 23日 ロイター] - 英国と米国を昨年襲ったポピュリズム(大衆迎合主義)の津波は23日、フランスの海岸で消滅したのかもしれない。

 同日のフランス大統領選第1回投票では、極右政党・国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首と中道系独立候補のエマニュエル・マクロン前経済相が決選投票に進むことになった。マクロン候補はグローバリゼーションや移民受け入れ、欧州連合(EU)への支持という、最近の潮流に反するような政策を打ち出して成功を収めた。

 世論調査によると、5月7日の決選投票ではマクロン氏がルペン氏に大勝する見通しだ。そうなれば、より大胆なフランス経済の改革に道が開かれるほか、ユーロ圏の立て直しを巡りドイツと妥協点を見出すという難題についても、前進が見られるかもしれない。

 39歳で政治経験がわずか4年のマクロン氏は世代交代の象徴だ。

 同氏が大統領に就任すれば、フランス政治は過去半世紀にわたる左派と右派の二分状態に決別することになる。

 行く手には手ごわい課題が待ち受けている。有権者の約半分は極右か急進左派の候補に投票した。彼らがリベラルで民主主義的なマクロン氏の方針を支持するとは考えにくく、フランスは分断国家になるだろう。

 6月の議会選挙後、議会で中道勢力を団結させ、過半数を制することにも「マクロン大統領」は苦慮するかもしれない。

 とはいえ、大統領選第1回投票でのマクロン氏の勝利は、欧州の心臓部で中道勢力が根を下ろしつつあることを示した。昨年は英国民投票でEU離脱派が、米大統領選でトランプ氏が勝利したが、ここ数ヵ月はオーストリア、オランダ、ドイツで極右の政治家が敗北している。