本当に自立した人は孤独じゃなく、人と深くつながっている

部下を伸ばし育てるために、リーダーが<br />気をつけたい2つのポイントとは?堀江信宏(ほりえ・のぶひろ) 一般社団法人コーチングカレッジ 代表理事1971年生まれ。立教大学卒業後、伊藤忠商事に入社。10年間、不動産事業、貿易事業、海外植林事業、コンビニエンスストア事業に関わる。2004年、伊藤忠商事を退職しイベント企画運営会社を設立。一般社団法人コーチングカレッジにて600人の卒業生を育成。分かりやすいセミナーと親しみやすい人柄で、経営者から会社員、主婦、学生まで幅広く人気がある。2015年9月に悪性リンパ腫を宣告されたが、約半年間抗ガン剤治療に専念し、2016年春に寛解。ガンを「ギフトだった」と言い、さらなる幸せと発展に生かしたコーチング技術は、逆境にある人たちを励ましている。訳書に『目標達成する技術』『人を動かす技術』等(累計30万部)がある。

堀江 「坂東さんのエピソードの中で、すごく印象に残ったのがアメリカのハーバード大学に留学された時の話で、あの経験が自分の考え方を変えるきっかけになったということでしたね。ホストファミリーのメアリーさんによくしてもらったとか。あとは、何かレポートを書く時に、みながいろいろ応援してくれたとか。それを読んで思ったのが、本当に自立したいという人は孤独じゃなくて、人と深くつながっているんだなということです」

坂東 「あのときは、みなが応援してくださったと思いますね。なぜ、ハーバード大学に行ったのがいいきっかけだったかというと、日本にいる時には、人からそんなに応援してもらうという実感がなかったんです。もちろん、本当は支えてもらってはいるんですけどね。でも、アメリカに行くと、英語もろくろく話せないし、いいたいことが十分に言えないし、日本で、一応、公務員としてこんなことをやってきましたとか、大学はどこでしたなんて言っても、ハーバードでは『それが何?』という程度のものですからね。その中で、自分も相手に何もメリットを与えてあげることができないのに支えてくださる人がいるんだと感激しました。ギブアンドテイクという、自分が相手にとって役に立つから、相手も自分を支えてくれるんじゃなしに、無償のサポートをしてくれる人がいるというのは、本当に感動しましたね」

堀江 「そうですよね」

坂東 「あとは、メアリーだけじゃなしに、他にもいろいろな人たちが実は助けてくれているのに気が付かなかっただけなんだと思いました。その人たち、一人ひとり全員に恩返しはできなくても、今度、自分を必要とする人がまわりに来たときには、そういう人たちを助けて上げるのが、今できることなのかなというふうに思いましたね」

堀江 「『女性リーダー4.0』の中でも、相手中心といいますか。部下を持ったときの指導の仕方も、こちらの出世のために指導するというのではなく、部下にこういう話し方をすればいいんですよと、こういう言い方をするとこういうふうに伸びやすいんですよというように、いろんなパターンで書いてありますね」

坂東 「部下を上手に使う方法だとか、うまく働かせるハウツーということだと、そんのは言われた部下もわかっちゃうんですよね。だから、親身になって考えて、よかれと思って言ってくれてるんだと思うと、きっといいチームになるんじゃないかなと思います」

後半につづく