社会的に重責のあるポジションにいる「Six」世代。若い頃とはまた異なるストレスを感じていることだろう。ストレスは、仕事の効率ダウンを招き、決断力も鈍る。そして心身にも影響を及ぼす。ストレスに強い自分を作ることが、上に立つ者の必須課題だ。

ストレスをコントロールする<br />セルフコンディショニング術、教えます

 

思考法のトレーニングと生活習慣のコントロール!

物事に対する捉え方を
変えてポジティブ思考に

「ストレスの原因のほとんどは人間関係です。他人とのコミュニケーションがうまくいかないためにさまざまな軋轢や齟齬が生じるのです。過度なストレスは精神的な疾患だけでなく、がんや心筋梗塞など命に係わる重大な病気を引き起こす誘因ともなります。病気予防という点からも、このストレスコントロールはとても重要です」(ハタイクリニック西脇俊二院長。以下同)

ストレスをコントロールする<br />セルフコンディショニング術、教えます

 

 西脇院長は、クリニックで精神科医師として精神療法や統合医療を専門としている。患者さんにはビジネスマンも多く、ストレスが原因と思われる体の不調を訴える人が来院する。

 

「ストレスコントロールを行うためには、第一に他人の言動や物事に対する捉え方を変えることが大切です」

 要は、他人に期待しないことだという。

「たとえば相手に期待している場合、自分の期待に反するとイライラしてしまいます。しかし最初から相手に期待しなければ、心も平穏でいられます。そもそも他人の言動は自分ではコントロールできないもの。自分でコントロールできないものには執着しないことです。第二に、相手の自己重要感、言いかえれば、自分が周囲から必要とされていると思う気持ち、自分は認められているのだという承認欲求を満たすような行動をとることです」

 まずは、相手の話をよく聞いてあげることこそ、「自分は価値のある存在と認められている」と相手の自己重要感を高めることとなる。ひいてはあなた自身の自己重要感を高めることにつながるのだ。

「自分の話を真摯に聞いてくれる。この人は、自分にとって大切なボスだ」というわけである。

「第三に、身の回りに起こるさまざまな出来事に対する受け取り方を変える訓練をしましょう。たとえば10万円落としたとき、普通は『損した、もったいない』と思いますね。それを『いいお賽銭をした、きっといいことがあるだろう』と前向きに捉えることです」

 何事も別の視点から考え、プラスの要素を引き出す考え方をしてみよう。そうするとストレスもたまらなくなるのだそうだ。何かあったとき、ネガティブに捉えず、前向きの思考回路に戻って考えるトレーニングをしていこう。