[香港 27日 ロイター] - 中国で富裕層向けサービスを手掛ける金融機関が、小口顧客からの収入を伸ばす武器になるとして、自動で投資助言や取引を実行するいわゆる「ロボ・アドバイザー」の対応を整えつつある。

ロボ・アドバイザー・サービスは2015年以前の中国にはほぼ存在していなかった。しかし、市場調査会社スタティスタによると、2017年末には関連した運用資産は271億ドルに上ると見込まれる。1820億ドル規模の米国市場と比べるとまだまだ小さいが、17年から21年まで毎年2倍以上の伸びが予想されており、米市場との差は急速に縮みそうだ。

昨年200万人に満たなかったロボ・アドバイザーの利用者は7940万人へと急拡大が期待されている。

プライスウォーターハウスクーパースのマシュー・フィリップ氏は「誰も彼も億万長者の話をするが、われわれが問題にしているのは投資資産を持ち始めた、何億人という顧客のことだ。こうした顧客にサービスを提供する唯一の方法が手続きの自動化だ」と指摘する。

中国電子商取引大手アリババ・グループ<BABA.N>傘下の金融会社アント・フィナンシャルや、中国平安保険<601318.SS>系列のルファクスなどがロボ・アドバイザー・サービスを巡って競争を繰り広げる中、導入の動きは伝統的な金融企業にも波及している。

IT専門家を持たない場合はIT企業と手を組もうとする動きがあるが、招商銀行(CMB)<600036.SS>の場合、自前で開発。1カ月にわたって宣伝を繰り広げた上で昨年12月にロボ・アドバイザー・サービスの提供を開始した。同行によると、今のところ、利用者1人当たりの平均投資額は3万6900元(5360ドル)。事情に詳しい関係筋によると、わずか数カ月で運用資産は30億元に上っているという。

また、関係筋によると、何カ月にもわたって開発を進めてきた世界最大のフィンテック企業、アント・フィナンシャルは今年、同社の数百万人の顧客に対しロボ・アドバイザー機能の提供を始める見通しだ。ただ、同社は「短期的」にサービスを提供するつもりはないとしている。

また、この関係者によると、中国工商銀行(ICBC)<601398.SS>も同様のツールをまもなく導入する。これに関し、ICBCはコメントを控えた。

こうした巨大企業の動きが、これまでは態度を保留してきた金融企業の参入も促す可能性がある。

中国で早くからロボ・アドバイザー・サービスを手掛ける弥財(MiCai)のグレゴリー・バンデンバーグ最高経営責任者(CEO)は「主流の銀行がこの特定分野に大規模キャンペーンを打っている以上、そのサービスは不可欠な存在になる。規模が一段と大きい国営銀行も追随することになる」と語った。