[27日 ロイター] - <為替> ユーロが下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が27日の理事会で緩和バイアスの削除を議論しなかったと表明したことが影響した。

ユーロ/ドル<EUR=>は一時、ドラギ氏が会見で「ユーロ圏の景気回復が底堅さを増し、下振れリスクは一段と後退した」と述べると1.0932ドルまで買われた。しかしドラギ氏はその後の質疑などで、大規模緩和の縮小を開始するにはまだいくつかの障害があるとの見解を強調。このためユーロは軟調に転じた。

BMOキャピタル・マーケッツの外為戦略グローバル責任者グレッグ・アンダーソン氏は「ドラギ氏は期待されたほどタカ派的ではなかった」と語り、これでユーロの上昇方向のイベントリスクは当面なくなったとの見方を示した。

ドル/円<JPY=>は111.22円。日銀の黒田東彦総裁が会見で予想物価上昇率がなお低調だと認めたことから、もっと強気の物価見通しを見込んでいた一部市場参加者の失望を誘い、ドル買い/円売りにつながった。ウェルズ・ファーゴの通貨ストラテジスト、エリック・ビオリア氏は「物価見通しの下振れは大規模緩和の継続を示唆する」と指摘した。

スウェーデンクローナは対ドルで下落。スウェーデン中央銀行が27日、債券買い入れ期間を延長するとともに、利上げ開始は従来の想定より遅い来年半ばになるとの見通しを明らかにした。

<債券> 国債価格が上昇した。トランプ大統領の税制改革案に対する疑念が出ていることに加え、北朝鮮とシリアをめぐる地政学リスクが払しょくされていないことから安全資産とされる米国債に買いが入った。

月末を控え機関投資家による買いが入ったことに加え、この日の7年債入札が堅調な需要を集めたことも国債買いにつながった。さらに、ロシアが北朝鮮をめぐる状況は一段と悪化したとの認識を示したことも国債買いに拍車をかけた。

市場ではトランプ氏の税制改革案が再び頓挫するのではないかとの懸念が最大の焦点となっている。

BNYメロンのシニア債券ストラテジスト、マービン・ロー氏は、「トランプ氏は大規模な減税を提案しているが、これが歳入中立であることを示すものは何もない」とし、「税制改革はもちろん望ましいものだが、世界平和を目指すのと同様、どのように実行に移すのか(が重要となる)」と述べた。

7年債入札は最高落札利回りが2.084%。外国中銀を含む間接入札者の落札比率が81.7%、応札倍率が2.73倍と、ともに平均を大きく上回るなど、予想外に強い需要を集めた。

7年債利回りは2.095%と、前日終盤の2.115%から低下している。

<株式> ケーブルテレビ大手コムキャスト<CMCSA.O>などの好決算に支えられ、ナスダック総合指数が終値としての過去最高を更新した。S&P総合500種とダウ工業株30種の両指数は、ほぼ横ばい圏だった。

市場の注目は企業決算に戻った。コムキャストが発表した第1・四半期決算は、契約者数の大幅な増加が寄与して利益が市場予想を上回った。

トムソン・ロイター・エスティメーツによると、S&P総合500種企業の第1・四半期決算は12.4%増益になると予想されている。

ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズのチーフ投資ストラテジスト、マイケル・アロン氏は「大半の市場関係者は企業業績の改善が加速すると予想しており、それが実現する格好となった。経済情勢や地政学的リスクを巡って多様な見解が示されているが、最終的に市場は業績の改善に反応している」と述べた。

税務・会計ソフトウエアのインテュイット<INTU.O>は8.5%高。同社は個人所得税申告期を含む四半期の決算を発表。四半期および通期の業績予想を維持した。

オンライン決済サービスのペイパル・ホールディングス<PYPL.O>は前日に利益見通しを引き上げたことなどが好感され、株価は過去最高値を更新した。

一方、アメリカン航空グループ<AAL.O>は5.2%安。同社は客室乗務員とパイロットの給与引き上げなど提案したと発表した。

米原油先物相場の下落を嫌気してエネルギー関連株は売られ、S&Pエネルギー株指数は1.1%低下した。

<金先物> 小幅高。ECB総裁発言で金融緩和解除をめぐる観測が後退、ドル高となったため割高感が生じて相場の上値は抑えられた。朝方発表された耐久財受注など米経済指標に対する市場の反応は限定的だった。

<米原油先物> 反落。リビアの主要2油田での生産再開や米ガソリン在庫の過剰感などを背景に中心限月ベースで1カ月ぶりの安値となった。

リビア国営石油会社(NOC)のサナラ会長は27日、一部武力勢力によるパイプライン封鎖で操業を停止していた西部のシャララ油田とエルフィール油田が生産を再開したと表明。またリビアの石油生産は日量約49万バレルだが、8月までには最大110万バレルの生産目標を目指していると明らかにした。この報道を受けて、世界的な石油余剰が拡大するとの懸念が再燃、一時48.20ドルまで下落した。