[東京 2日 ロイター] - 日銀は2日、3月15―16日に開かれた金融政策決定会合の議事要旨を公表した。委員の間では、日本は欧米と異なり物価がゼロ%程度にとどまっており、現在ゼロ%の長期金利目標の利上げを検討するのは時期尚早との意見が聞かれた。

委員の間では、物価の基調的な動きを示すとされる消費者物価指数の生鮮・エネルギーを除いた指数が「このところ小幅のプラスで一進一退の動き」で、勢いがいまひとつとの認識を共有。先行きの企業や家計の物価見通しも「現実の物価が小幅のマイナスで推移してきた要素が強く作用している」とした。

このため、何人かの委員は「欧米で物価上昇率が2%近傍となっているが、日本はいまだにゼロ%程度であり、金利上昇に向けて政策転換を考える時期でない」と述べ、市場で高まっていた利上げ観測を強くけん制した。

多くの委員は「海外金利の上昇を理由に利上げするのは適当でない」とも述べ、今後可能性が否定できない米金利上昇に応じて日銀が機械的に利上げすることはないとの意図を示した。

<日銀金融政策、十分理解得られている>

ある委員は「金融政策の目的は物価の安定と国際的に共有されており、日銀の金融政策は十分理解が得られている」と強調し、国際的に円安誘導と批判されることはないとの考えを示した。

2月は、散発的な金利上昇に応じて国債買い入れを増やしたため、国債の買い入れ額が年率換算で90兆前後に膨らんだ。このことについても委員らは議論。ある委員は「国債買い入れ額はその時々の状況によって、ある程度増減するもの」と述べたが、「長期金利に目標を設定すると大幅買い入れを余儀なくされるとの弱点が顕現化した」と批判した。

<欧州政治イベント通過後、期待強気化で水準調整も>

景気の先行きについて、委員らは「緩やかな拡大に転じていく」との見方を共有した。「欧州の政治イベントを無事通過すれば、市場の期待が強気化し、大きな水準調整が生じる可能性がある」との指摘もあった。

(竹本能文)