5月7日、低成長、失業増加、競争力低下の10年を経験したフランスは、景気低迷からの脱却を約束した39歳の元投資銀行家、エマニュエル・マクロン氏(写真)を大統領に選んだ。写真はパリで撮影(2017年 ロイター/Christian Hartmann)

[ベルリン/パリ 7日 ロイター] - 低成長、失業増加、競争力低下の10年を経験したフランスは7日、景気低迷からの脱却を約束した39歳の元投資銀行家、エマニュエル・マクロン氏を大統領に選んだ。

 オランド政権の経済相に起用されながら改革のペースの遅さに業を煮やして辞任したマクロン氏は、労働市場改革、税・年金制度の簡素化、技術革新を阻む規制の緩和を掲げる。最終的に、欧州連合(EU)離脱・反移民の極右政党・国民戦線(FN)党首、マリーヌ・ルペン氏との一騎打ちを制したが、大統領として数々の課題に直面することになる。

 マクロン氏は、グローバリゼーションの破壊的な力にどう対応するかで国民意識の分裂がこれまでないほど深刻ななか、改革に取り組む。マクロン氏は経済への国の関与を弱めることを標榜するが、国民の約半数は経済において国が果たす役割を高める統制的アプローチを望んでいる。

 改革実行には議会の承認が必要。その意味で、6月の国民議会(下院)総選挙で、マクロン氏が立ち上げた超党派の市民運動「前進」がどの程度議席を確保できるかが鍵を握る。

 ただ、首尾よく過半数議席を確保できたとしても、改革の多くは成果を出すのに数ヵ月、あるいは数年かかる可能性もある。実現が遅れれば、「アゲンダ2010」と称する構造改革を打ち出しながらも景気低迷で退陣に追い込まれた独シュレーダー政権と同じ轍を踏むことになりかねない。

 バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチの欧州チーフエコノミスト、ギレス・モエク氏は、マクロン氏は漸進的アプローチをとると約束しているが、その成否は組合との交渉にかかっていると指摘。「その戦術は理解できるが、即座に結果を出せるものでない」と述べた。