[8日 ロイター] - 米著名投資家ウォーレン・バフェット氏は8日、ユナイテッド航空が4月に発生した乗客引きずり降ろし問題への対処で「大変な失敗」をしたとの考えを示した。

ユナイテッド航空は4月初旬、オーバーブッキング(過剰予約)が発生した際、乗客を機内から引きずり下ろし、鼻の骨を折るなどのけがを負わせた。ムニョス最高経営責任者(CEO)が当初、同社の乗務員を擁護する姿勢を鮮明にしたことで、世界的な批判が広がり、同CEOは後に米議会の公聴会で証言する事態に発展した。

バフェット氏はCNBCに対し「明らかに大変な過ちだった」と言明。ムニョスCEOはその後「繰り返し謝罪したが、初めの対処が注目されるからだ」と語った。

バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイ<BRKa.N>はユナイテッド航空の親会社ユナイテッド・コンチネンタル・ホールディングス<UAL.N>の最大の株主。そのほか、アメリカン航空グループ<AAL.O>、デルタ航空<DAL.N>、サウスウエスト航空<LUV.N>の主要株主でもある。

バフェット氏は、航空業界の効率化が一段と進んでいると確信しており、それが航空業界への投資の背景にあると説明。極めて高い比率の利用者が安価のフライトを望んでおり、今回の乗客引きずり降ろし問題によってこうした状況が変わることはないとした。

同時に、満席状態の機内の狭い座席に詰め込まれ、乗客にとっては空の旅は快適なものではなくなってきたとの考えも示し、「航空会社の運営という仕事はしたくない」と語った。

バフェット氏はまた、金利が10-20年にわたり低水準にとどまることを想定すれば、株価は「格安」のようにみえると指摘。「この水準で株よりも30年債を購入することは馬鹿げているというのが私の考えだ」とし、「株式に比べ、債券はひどい選択肢だ」と語った。

3月末時点のバークシャーが保有する現金、現金同等物、債券は960億ドル超。

トランプ米大統領については、米経済に大きな効果をもたらしているとは考えていないと述べた。

同大統領は法人税率を現行の35%から15%への引き下げることを目指しているが、バフェット氏は現行の35%によって米企業が競争上さほど不利な立場に置かれているとは思わないとし、「税制がより良いかどうかは、どのように策定されるかによる」と述べた。

チャーリー・マンガー副会長もCNBCに対し、民主・共和の「両党はひどく憎み合い、双方とも理不尽となっている」と語り、こうした米政界におけるいがみ合いが税制改革などに向けた合意を阻む恐れがあるとした。

バフェット氏はまた、前週下院で可決された医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案について、富裕層の「所得税減税」につながるとして批判した。

バークシャーの投資パートナーであるプライベートエクイティ(PE)の3Gキャピタルが買収した企業の人員削減や費用圧縮を実施していることについては、バフェット氏は人員削減は痛みを伴うプロセスとしつつも、「資本主義の標準的な方式」に沿っているに過ぎないとし、擁護する考えを示した。

アップル<AAPL.O>株を巡っては、買い増しについて一段と快適に感じていると語った。バークシャーは5日、アップル株1億3300万株(約200億ドル相当)の保有を明らかにしている。

アップル株の購入をストップするかとの質問に対しては、バフェット氏は「やめるかもしれないし、やめないかもしれない」と語った。