[ワシントン 9日 ロイター] - ロス米商務長官は9日、ロイターとのインタビューで、トランプ政権が掲げる3%の経済成長率目標について、「今年は明らかに達成不可能」と述べ、税制や規制、通商、エネルギーの全ての政策を実施して初めて到達できるとの見通しを示した。

長官はまた、ドルは強すぎるのではなく、他の通貨が弱すぎるとの見解を表明した。米国の貿易目標を達成する上でドル高が問題になるか、との質問に答えた。

北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の方針を発表したことがメキシコペソの下落につながり、ドルに対する「不均衡」の一因になったことも認めた。

ペソ安でメキシコ製品の価格が下がり、米国の貿易赤字が拡大するという「妙な」状況だとし、NAFTA再交渉の開始や米通商代表部(USTR)代表の人事を巡る議会承認の遅れが状況を悪化させているとの見方を示した。

長官は成長率目標に関し、「議会はあらゆる案件で時間をかけている。人事の半分でさえまだ決まっていない」と年内の達成が難しい理由を説明。

ただ、トランプ大統領が掲げる企業寄りの政策をすべて実施すれば成長率目標は最終的に達成できると自信を示した。減税を含む税制改革の議会審議が長引く場合は達成が遅れる可能性もあるとした。

通商問題については、民間企業を不当な輸入から保護するため、「自発的に」複数の反ダンピングおよび反補助金調査に取り組んでいることを明らかにした。

トランプ大統領はNAFTAを含む複数の自由貿易協定について再交渉を進めるか離脱する方針を示しており、貿易相手国の間に懸念が広がっている。

これについてロス長官は、トランプ政権は一連の措置によって貿易を制限することを目指しているわけではないと強調。

「われわれが制限したいのは貿易協定もしくはWTO(世界貿易機関)ルールに違反する貿易だ。合意内容を実行しないのならば、貿易協定を結ぶ意味がない」と語った。

そのうえで、WTOルールでは違反国に制裁を科すのに時間がかかると指摘。また、WTOの最恵国待遇条項では加盟国間の関税率の格差が広がることが許されているため、米国はこれを特に問題視しているとした。

「米国の見解では、最恵国待遇条項は実際には貿易自由化を阻害している」と批判、互恵的(レシプロカル)関係が尊重されれば関税率は低下するとした。

ただ、互恵的関係によってWTO加盟国間で関税率をいかに均一化するかについては「今後の課題」と述べた。

ロス氏は、米国の貿易赤字すべてを問題視あるいは貿易協定違反の結果と見なしているわけではないと説明。必要な原油輸入などによる赤字は非難の対象ではないとした。

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