[東京 10日 ロイター] - 財務省は10日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会で、高等教育の無償化案に関する論点を示した。高等教育が生涯賃金の上昇という「個人の私的利益」につながることから、公費負担拡大による無償化には懐疑的だ。

分科会は今月中に意見書を取りまとめ、政府が6月に策定する経済財政運営の基本指針に反映させたい考え。

高等教育の完全無償化には約3.1兆円が必要とされる。同日の分科会では、自民党の一部で浮上した「教育国債」について否定的な意見が多く出た。若手議員らが提案する「こども保険」についての議論はなかったという。

高卒者と大学・大学院卒者では「生涯所得が6000─7000万円異なる」(独立行政法人労働政策研究・研修機構)ことから、財務省の提案では、高等教育が「生涯賃金の増加につながるという私的便益が大きい」と位置づけた。

その上で、「国民的合意が得られる私費・公費負担の組み合わせ」がどうあるべきか、さらなる議論が必要とした。

委員からは、高等教育を個人的利益とする考えに賛同する声が出た一方、「高等教育の結果、優良な納税者が生まれ、結果的に社会の利益になる」との指摘もあった。

(梅川崇)