[シドニー 10日 ロイター] - オーストラリア政府は9日、62億豪ドル(45億6000万米ドル)規模の新たな銀行課税を明らかにしたが、業界や政界の関係筋によると、長年多大な利益を享受してきた業界の寡占状態を国民が支持していないことを考えると、大手銀行は新税を受け入れるとみられる。

新税は、社債やコマーシャルペーパー、譲渡性預金(CD)のほかTier2(補完的項目)として資本に算入できる証券などの負債に6ベーシスポイント課税するもので、個人と法人の預金は除く。

対象となるのはコモンウェルス銀行<CBA.AX>、ウエストパック銀行<WBC.AX>、オーストラリア・アンド・ニュージーランド銀行(ANZ)グループ<ANZ.AX>、ナショナル・オーストラリア銀行(NAB)<NAB.AX>、マッコーリー・グループ<MQG.AX>の5行。

関係筋によると、銀行首脳らはモリソン財務相が予算案を公表する約1時間前に銀行課税が盛り込まれることを電話で知らされ、不意を打たれたという。

大手行のある幹部は「関与する機会もなかった。ひったくりみたいなものだ」と不満を漏らした。

ウエストパックのハーツァー最高経営責任者(CEO)は10日、政府の改革は銀行のバランスシートを強固にするという規制当局の目標に矛盾すると批判。「増税によって、貸し出しやストレス下の安定性を支える銀行の資本創出能力が損なわれる」と訴えた。

コモンウェルスのナレブCEOも、コストが顧客に転嫁される可能性があると示唆。顧客には金利低下、株主には配当減額といった影響が出るだろうとした。

NABのソーバーンCEOは、新税により1000万人の顧客と株主に影響が及ぶとし、ANZとマッコーリーは影響については不明だとしている。

一方、新税発表を受けて中小銀行の株価は上昇。ベンディゴ・アンド・アデレード銀行<BEN.AX>は10日、一時4.8%高と3年ぶりの上げ幅を記録。また、クイーンズランド銀行<BOQ.AX>も一時4%上げた。